時系列分析における新機能
- 新推定コマンド sspace は最尤法により線形状態空間モデルのフィットを行います。状態空間モデルの場合、従属変数は観測不能の状態と観測された外生変数の線形関数として表現されます。これにはVARMA、構造型時系列、線形動学的/確率的一般均衡モデルが含まれます。sspace は定常モデルのみならず、非定常モデルの推定も行えます。
- 新推定コマンド dvech は対角 vech 多変量 GARCH モデルの推定を行います。これらのモデルにおいては、従属変数の条件付き分散行列が、現時点での条件付き分散行列の各要素が自身の過去と過去のショックに依存するといった柔軟な動学的構造に従うことを許容します。
- 新推定コマンド dfactor は動的因子モデルの推定を行います。これらのモデルにおいては、従属変数と観測不能な因子変数がVAR構造を有し、外生変数の線形関数であることを許容します。
- 推定コマンド newey, prais, sspace, dvech, dfactor では 因子変数表記 が使えるようになりました。またそれに関連したオプションも用意されています。
- 推定事後機能の新コマンドである margins は周辺平均や限界効果を算出する機能を持ちますが、これは svar を除くすべての時系列推定コマンド実行後に利用することができます。詳細については こちら をクリックください。
- 表示用の新オプション vsquish は 時系列演算子付きの変数や因子変数を含む場合の空白行を制御する機能を提供しますが、これはすべての時系列推定コマンド中で利用できます。
- 表示用の新オプション coeflegend は係数の凡例を表示する機能を提供しますが、これはすべての時系列推定コマンド中で利用できます。
- regress 後の predict では dfbeta() オプションの中で時系列演算子が使えるようになりました。[R] regress postestimation を参照ください。同様に regress の推定事後機能コマンド estat szroeter, estat hettest, avplot, avplots 中でも時系列演算子が使用できます。
- 既存の推定コマンド mlogit, ologit, oprobit において時系列演算子が使えるようになりました。
- 既存の推定コマンド arch, arima において最大化オプション showtolerance がサポートされました。
- 既存の推定コマンド arch において、正規分布のみならず Student の t 分布や一般化誤差分布を仮定してモデルのフィットが行えるようになりました。分布の指定はオプション distribution() によって行えます。その場合、形状パラメータや自由度パラメータを明示することもできますが、arch に推定させることも可能です。
- 既存のコマンド tsappend はより高速になりました。