多変量GARCHモデル

Stata の新コマンド dvech は多変量GARCHモデルのパラメータ推定を行います。多変量GARCHモデルでは従属変数の条件付き共分散行列が動的な構造に従うことを許容します。dvech は対角的 vech GARCH モデルのパラメータを推定しますが、その場合、従属変数の現時点での条件付き共分散行列の各要素は自身の過去と過去のショックにのみ依存したものとなります。

今、Acme社とAnvil社の工場において検出された不良品パーセンテージに関する週別のデータが与えられたとします。ここではそのレベルを1次の自己回帰過程としてモデル化します。両社の順応的な管理スタイルにより、分散はARCH項、GARCH項をそれぞれ1つずつ含む対角的 vech GARCH 過程に従うものと想定します。

Output

dvech は制約をサポートしています。従ってこれら競合関係にある2社が実質的に同一の過程に従うものと考えられる場合には、ARCH係数とGARCH係数が両社間で同一であるとする制約を課して推定を行うこともできます。

. constraint 1 [L.ARCH]1_1  = [L.ARCH]2_2. constraint 2 [L.GARCH]1_1 = [L.GARCH]2_2. dvech (acme = L.acme) (anvil = L.anvil), arch(1) garch(1) constraints(1 2)

従属変数の予測に加え、モデル化されたボラティリティに従う条件付き分散の予測を行うこともできます。ここでは標本上でボラティリティの1ステップ予測を行い、結果をグラフ化してみます。

. predict v*, variance. tsline  v_acme_acme v_anvil_anvil
Graph

上での予測においては2社間の条件付き共分散についても予測を行いました。今度はそれをグラフ化してみます。

. tsline v_anvil_acme
Graph

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