Vol.30 カスタムレポートの作成

Originのワークシートでセルを統合したり、グラフや画像のようなオブジェクトを配置したり、変数や他のシートの表へのリンクを埋め込んで、カスタムレポートを作成できます。今回は、Vol.29で作成した分析テンプレートにカスタムレポートシートを追加し、新しいデータをインポートするだけで結果が更新されたレポートを取得します。

 

分析テンプレートを利用

複数データファイルの分析結果を同じ形式のレポートとして簡単に出力

操作の流れ

  1. データをインポート
  2. カスタムレポートシートを作成
  3. 分析テンプレートとして保存
  4. 他のデータを分析してレポートを取得

サンプルデータ

サンプルデータは下記のリンクからダウンロードしてください。Vol.29で作成した分析テンプレートMySensorData.ogw(u)も使用します(サンプルデータのフォルダにあります)。

zip

ZIP(53.9KB)

操作手順

データをインポート

  1. 「ファイル:開く」メニューからダイアログを開き、分析テンプレートMySensorData.ogw(u)を開きます。
    この分析テンプレートには、最初のシートの列Bに対する線形フィットの分析操作と、入力データとフィット曲線から作図された埋め込みグラフがあります。
  2. ワークシート「データ」をアクティブにし、「データ:ファイルからインポート:単一ASCIIファイル」をクリックして開くダイアログで、ダウンロードしたサンプルファイルSensor01.dat を選択し、「開く」をクリックしてインポートします。
  3. カスタムレポートシートを作成

  4. 「データ」シートタブ上で右クリックし、「追加」を選択して、新しいシートを追加します。このワークシートのタブをダブルクリックして「レポート」という名前にします。
  5. 「レポート」シートタブ上で右クリックし、「プロパティ」を選択してダイアログを開きます。「サイズ」タブを開き、下図のように設定したら「OK」ボタンをクリックしてこのダイアログを閉じます。
  6. ワークシートのロングネーム、単位、コメント、F(x)=のヘッダ行を選択します。右クリックして開くメニューから、「非表示」を選択してこれらの行を非表示にします。
  7. 全ての列の最初の3行を選択して、スタイルツールバーにある「セルの統合」ボタンをクリックします。統合したセルに、Sensor Data Analysis Report と入力します。
  8. 同様に、G、H列の5行目を統合し、G、H列の6行目も統合します。F列の5行目にFile Name:と入力し、6行目にはFile Date:と入力します。
  9. G、H行を統合した5行目のセルで右クリックして、コンテキストメニューから「変数の挿入」を選択します。ダイアログで、「FILENAME」を選択して「挿入」をクリックすると、このセルにインポートファイル名が挿入されます。
  10. G、H行を統合した6行目のセルで右クリックして、「セルのフォーマット」を選択して、ダイアログで「フォーマット」を「日付」にします。
  11. 再度、G、H行を統合した6行目のセルで右クリックして、「変数の挿入」を選択します。ダイアログで、「FILEDATA」を選択して「挿入」をクリックします。このセルにはインポートファイルの作成日が挿入されます。
  12. ワークシート「FitLinear1」を開き、パラメータ表にある三角形のボタンをクリックして、メニューから「表のコピー(テキスト)」を選択します。
  13. 「レポート」シートを開き、E列の9行目を選択します。右クリックして、「リンクの貼り付け」を選択します。E、I、J行に貼り付けられた内容は不要なので、選択してDeleteキーを押して削除します。
  14. F、G、H列の8行目、18行目をそれぞれ統合します。統合したそれぞれのセルに、Fit Parameters、Report Date: $(@D, D1) と入力します。
  15. 統合したF、G、H列の18行目のセルで、右クリックして「データの書式を設定:リッチテキスト」を選択します。リッチテキストが有効になると、$(@D,D1) には実際のシステム日付が表示されます。
  16. CTRLキーを押しながら、数値データが入力されたセルをクリックして選択し、右クリックして「セルのフォーマット」を選択します。「桁数指定法」のドロップダウンリストから、「小数桁数=」を選択して桁数を「3」に設定して、OKボタンをクリックします。
  17. 「スタイル」と「書式」ツールバーにあるボタンを使用して、下図のようにセルの境界線、フォントサイズやスタイル、色などを変更します。
  18. FitLinear1シートを開き、フィット曲線のグラフをダブルクリックしてグラフウィンドウを開きます。ウィンドウのタイトルバーで右クリックし、「ウィンドウの複製作成」を選択し、グラフを複製します(Graph1)。
  19. 埋め込みグラフのウィンドウは閉じます。
  20. 「レポート」シートに戻り、ワークシート内の灰色の領域で右クリックして開くメニューから、「グラフを追加:[Graph1]」を選択します。グラフブラウザが開いた場合、Graph1を選択してOKボタンをクリックします。
  21. 追加したグラフをドラッグして移動、サイズ変更して下図のようにします。
  22. メインメニューの「フォーマット:ワークシートの表示属性」を選択してダイアログを開き、「表示」タブと「フォーマット」タブで下図のように設定し、「OK」ボタンをクリックします。
  23. ファイルメニューの印刷プレビューを選択してカスタムレポートをプレビューすると、下図のようになります。
  24. 分析テンプレートとして保存

  25. ワークシート「データ」をアクティブにして、メニューから「ファイル:ワークブックを分析テンプレートとして保存」を選択します。
  26. 必要に応じて「ファイルパス」を指定し、ファイル名を「SensorDataReport」として、「保存」ボタンをクリックします。
    これで分析テンプレートSensorDataReport.OGWUが保存され、今後同じような分析を行う際に再利用できます。
  27. 他のデータを分析してレポートを取得

  28. 「新規プロジェクト」ボタンをクリックして新しいプロジェクトを開き、メニューから、「ファイル:最近使ったブック」を選択し、先ほど保存した分析テンプレート「SensorDataReport.ogwu」を選択します。
  29. Windowsのエクスプローラでダウンロードしたサンプルデータのフォルダを開き、Sensor02.datファイルをワークブック上にドラッグアンドドロップしてインポートします。
    「データ:ファイルからインポート」メニューからもインポート可能です。
  30. 新しくインポートされたデータを使用した線形フィット結果や、カスタムレポートが出力されます。
  31. ワンポイントアドバイス

    作成したカスタムレポートを使って「バッチ処理」を実行すれば、複数ファイルを一括で分析することができます。

テクニカルサポート

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