Origin/OriginProユーザ事例集
第8回 株式会社 Photo electron Soul 様

株式会社 Photo electron Soulの皆様

(写真左から)川俣 智章様、鹿野 悠様、小泉 淳様、谷 浩一様

株式会社Photo electron Soul 様は、名古屋大学を中心に30年間にわたり培われてきたフォトカソード電子ビーム技術に基いて2015年7月に出発した企業です。
高性能かつ多彩(パルス構造・低エネルギー分散・大電流)な次世代の電子ビームを生成する独自のフォトカソード電子ビーム技術は、電子顕微鏡、半導体デバイス製造・検査装置、金属3Dプリンタ等の産業機器のキーデバイスである電子ビームを刷新し、従来では不可能な微細観測、微細加工、高スループット性などを実現します。
壊れやすい材料の分析(ミリ秒単位の単発ビームでの撮像)や、ナノレベルの動的観測(電子顕微鏡への応用)、タンパク質の3D構造解析(クライオ電子顕微鏡法による3次元構造解析)など、幅広いアプリケーションでの応用が期待されるブレークスルー技術です。

■ あらゆる機能が開発には必要です

- なぜOriginを導入頂いたのですか?

多くのメンバーが元々学生の時からOriginを使っていて、馴染があったということも勿論導入に至った理由の1つですが、今回の複数台の導入にあたっては、他社のグラフソフトウェアと充分に比較して、Originの操作性やフィッティングをはじめとした様々な機能が、将来的に役立つという考えで決定しました。
特に、ハイレベルの解析機能でもマウス操作で簡単に、プログラムの入力を使わずに実行できるところが一番の理由でした。

- どのようなグラフを作成されるのですか?

期待される電子ビームを発生させるために、まず真空度などの環境数値を測定して定量化する必要があります。また、カソードに照射するレーザー光の特性も可視化する必要がありますので、測定装置から出力されるデータを折れ線や散布図でグラフ化しています。

- 実際に導入していかがでしたか?

まだ機能を全て使いこなしているわけではありませんが、一般的な表計算ソフトウェアでグラフ化や解析を行うのとでは、比較にならないほど手間と時間を節約出来ますね。企業で働いていたメンバーもいるので、企業では表計算ソフトウェア以外の使用がなかなか許されないことは分かりますがOriginで出来るポイントを、もっとアピールした方が担当者としても導入もしやすくなって、お互いに良いのではないでしょうか(笑)
あと、そういえば、昔使っていた頃はライセンスの取得がとても面倒で閉口した覚えがあります。このあたりは少しは改善されたのですか?

- ライセンスのご取得にご面倒をお掛けして大変申し訳ありませんでした。昨年秋に発売リリースされたOrigin 2017 から、16桁のプロダクトキー方式を採用し、ライセンスの取り外しや再取得が簡単に出来るよう改訂しております。

■ コントロールされた電子を実現

- 従来の電子ビームとは技術的にどのような違いがあるのですか?

当社の光電子ビームとは半導体材料の陰極にレーザー光を照射することで、飛躍的に簡便で、かつ低コストなシステムの開発に成功しました。低エネルギー分散で大電流、言い換えると、シャープで強力な電子ビームです。

- 様々な装置への搭載が可能ですね

その通りです。当社の技術でさらに微細な観測と加工が可能になり、従来の電子ビーム技術では考えられなかった、最先端領域にも利用することが出来るようになります。

フォトカソード

■ Originに求めるもの

- Originの機能やサービスについて何かご要望はありますか。

Python言語がサポートされていることは大変評価しています。 装置とのデータ互換性のためには今後もっと必要になってくると思われますので。欲を出せば、品質管理(田口メソッド、CPKなど)に特化した機能が充実してくることを望んでいます。
なお、OriginはMacOSでもWindowsの仮想環境を構築すれば利用出来る事は知っていますが、会社の中にもMacOSのユーザがいますので、MacOSでダイレクトに使えるようにして頂けるととても楽になります。また、グラフだけ描ければよいという人もいますので、解析機能を最小限に縮小したグラフ作成専用バージョンみたいなものがリリースされるといいですね。

- 技術サポートについてはいかがでしょう?

ライセンスの取得の際に少し相談しただけで、あまり利用したことはありません。グラフの作成や解析についてまで、基本的に無料で相談出来るのなら、遠慮なく連絡させて頂きます。

- 技術サポートを是非ご利用ください。本日はご多忙中にもかかわらず、貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。

作成したグラフの例

このグラフは、電子ビームを発生させる真空容器で超高真空を作った際の真空度変化を示しています。
長いデータを自在にズーム・移動できること、複数のグラフにまたがってグラフを1度作れば、データを入れ替えるだけで同じようなグラフを作れるので、手間を省けてよいですね。

電子ビームを発生させる真空容器で超高真空を作った際の真空度変化

お勧めのOrigin機能

ダイアログでのプレビュー機能

殆どの解析ダイアログには解析後の状況を事前にプレビューする画面があります。パラメータや方式を設定すると自動的にプレビューも更新されますので、どの値が最適かなどを事前に決定する場合にとても有用です。また、もし一度解析を実行してしまった後でも、再度ダイアログを開いて再設定することが簡単に出来ます。

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