Origin/OriginProユーザ事例集
第7回 三重大学 大学院工学研究科 機械工学専攻
助教 河村 様

三重大学 河村先生

河村 貴宏 様(三重大学 大学院工学研究科 機械工学専攻 助教)
分子動力学シミュレーションとは、実験的手法で観測することが困難な原子レベルの現象を取り扱うことが可能なシミュレーション方法です。河村貴宏助教のグループでは分子動力学シミュレーションを用いてGaNやSiCなどのワイドギャップ半導体やTiAl合金などの金属材料を対象として、その結晶成長や結晶欠陥に関する研究を行っています。

■ 論文に適したグラフが必要でした

- Originを使い始めたきっかけは何でしょうか

学生の時にTeXで論文を書いていましたが、グラフを挿入するためにEPS形式のファイルが必要でした。
当時在籍していた研究室にOriginがあったので使い始めたのが最初のきっかけです。

- どのような場面で使われることが多いですか?

やはり、論文や学会発表用のグラフの作成がメインですが、近似曲線の挿入やフィッティング、積分などの分析にもよく利用しています。

- Originの機能で気に入られている点は何ですか?

グラフの線や点の太さ(大きさ)、色などを細かく指定したり、グラフのサイズや配置を調整するのがとにかく簡単に出来ていいですね。
また、グラフフォーマットのコピー機能やグラフテンプレート機能を使って、同じ形式でグラフを作成することが出来るので、時間を節約出来ています。
また、色々な画像形式で出力できたり、フィット関数の種類が豊富なところも使いやすいですね。
最近は毎年アップグレードされているので、使いこなせていない新しい機能がいくつかありますが、ライトストーン社に技術サポートがあるので、操作が分からない事があっても安心して利用できます。

- 何か改善のご要望はございませんか?

機能が多い分、メニュー、ツールバーが複雑で目的の機能を見つけにくいことがありますね。
また、機能とは別ですが、インストールやライセンスの管理が複雑な点や、価格が高いのも改善して頂けたら有難いです(笑)

- 2017年12月から、期間限定(1年)のライセンス形態に限り、大幅なディスカウントキャンペーンを開始しました。

■ データ可視化の表現力

- どのようなグラフを作成されているか、具体的に教えて頂けますか?

下のグラフは、SiC結晶中の拡張転位周りのひずみエネルギー分布を3次元化したものです。
原子座標とひずみエネルギーを対応させて可視化していますので、欠陥部などに注釈を加えて論文の中で効果的に表示することが出来ます。

SiC結晶中の拡張転位周りのひずみエネルギー分布
Na-Ga融液中のC-N原子間結合のエネルギー変化を調べたグラフ

Na-Ga融液中のC-N原子間結合のエネルギー変化を調べたグラフ

■ これからOriginを使う方へ

- これからOriginを利用または検討されている皆様に何かアドバイスを頂けますでしょうか?

Originはグラフ作成とデータ分析の両方に使えるソフトですが、私の様にグラフ 作成のために使うことがほとんどという方も多いと思います。それを考えると Originの導入を考えたときにやはり価格がネックになると思います。ですが、使ってみると分かりますが、一般的な散布図、折れ線図にはじまり、棒グラフ、等高線図等の2D、3Dグラフなど様々なグラフを非常にきれいに作成することができます。
これだけでも十分価値のあるソフトだと思います。低価格な学生版ライセンスがありますので、特に今後学会発表や論文製作を控えている学生におすすめなソフトです。

- 本日はお忙しい中、貴重なお話を聞かせていただき有難うございました。引き続きご利用頂けますよう宜しくお願い申し上げます。

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