Vol.51 Origin/Pro 2024 新機能
「グリッドマップグラフ」

グリッドマップグラフは、Origin 2024で追加された新しいグラフ形式で、複数の正方形のレイヤを自分の指定した位置に配置し、それぞれを配色したり、データプロットを表示できます。

例えば下図では、関東地方の各都県の年齢別の人口データを示す棒グラフを、実際の地図のように配置しています。
また、このサンプルグラフでは背景レイヤの色をカラーマップに設定することにより、各都県の人口の合計値を表現しています。

関東地方の年齢別の人口データを使ったグリッドマップグラフのサンプル

このページでは、サンプルデータを使用したグリッドマップグラフの作図操作のご案内のほか、全都道府県の人口データを使用したグリッドマップグラフのサンプルデータもご用意しています。

サンプルデータ

使用するサンプルデータは、以下よりダウンロードできますので、お手持ちのOrigin上で実際にインポートの操作をお試しいただけます。

サンプルデータ(sample_gridmap.zip)

zip

zip(55.8KB)

(データ出典:e-Stat「人口推計」)

バージョン2024以降のOriginをお持ちでない場合は、無料の体験版でお試しいただけます。

データ用意のしかた

グリッドマップでは、複数データの折れ線グラフや棒グラフをグラフページ内の指定の位置に配置して表示できます。グラフページ上で左上の位置を1列1行として、それぞれのグラフの位置を指定します。列と行の値はワークシートのラベル行に用意します。
今回は関東地方の都県の配置をイメージしているので、以下のようにラベル行を用意しています。

グリッドマップグラフを作図するデータの用意の仕方

サンプルグラフのように、レイヤの背景やプロットの色を、あるデータを使ってマッピングしたい場合は、ラベル行に数値を用意しておきます。

レイヤの背景やプロットの色をマッピングする場合のデータもラベル行に用意

サンプルデータでは各都県の人口の合計値を用意するために、ロングネームやコメントなどのラベル行上で右クリックして「ユーザ定義パラメータ」を選択し、開いたダイアログの「数式」の右にある矢印ボタンをクリックして「Sum」を選択して追加しています。

ユーザパラメータ行に各都道府県の人口の合計値を用意

グラフタイプを指定して作図

グリッドマップグラフでプロットするのが散布図、折れ線グラフ、棒グラフ、ヒストグラムのいずれかであれば、作図ダイアログでタイプを指定して作図できます。

操作方法

  1. 作図するデータ(サンプルでは全列)を選択して、「作図:マップ:グリッドマップ」を選択してダイアログを開きます。
  2. グリッドマップグラフのダイアログを開く
  3. 「プロットタイプ」ではグラフの種類を選択します。ここでは、「縦棒」を選択します。左下の「自動プレビュー」にチェックを付けると右パネルで、結果のグラフをプレビューしながら設定できます。
  4. グラフの種類を選択
  5. 「軸スケールを共有」にチェックを付けると、全てのグラフで同じXY軸スケールで設定されます。「識別子を表示」は各グラフを識別するためのラベルを表示するか指定します。今回は両方チェックを付け、「識別子」として、都道府県名の入力された「ロングネーム」を指定します。
  6. 軸スケールを共有し識別子をラベルとして表示
  7. 「レイヤの並べ方」では、列と行の値を用意したラベル行をそれぞれ指定します。
  8. レイヤの配置を入力したラベル行を選択
  9. 「ラベル行で色付け」の項目では、レイヤの背景色やプロットの配色に使用するラベル行データを指定できます。ここでは、「レイヤ背景」で「合計」の行を指定します。
  10. レイヤの背景色をマッピングためのラベル行を指定
  11. 「OK」をクリックすると、グラフが作成されます。
  12. グリッドマップグラフを作図完了
  13. レイヤ背景の色付けの方法をカラーマップにするので、グラフ上でダブルクリックして「作図の詳細」ダイアログを開き、左パネルで「Layer1」を選択します。「背景」タブを開き、「色」をクリックして「カラーマップ」を選択します。追加で表示された「カラーマップ」タブで、パレットや配色を設定します。
  14. レイヤの背景色をマッピングためのラベル行を指定

グリッドマップ作図後の編集

プロットの色や軸の設定は通常のグラフと同様に可能です。デフォルトでは軸が表示されていませんが、軸に関する設定をする場合は「フォーマット」メニューの「軸スケール:X軸」などからダイアログを開いて編集できます。

「フォーマット」メニューの「軸スケール/軸目盛のラベル/軸のタイトル」からダイアログを開く

ベースとなるグラフを用意して作図

ダイアログで指定できるプロットタイプ以外でグリッドマップグラフを作成したい場合や、作図後に編集する項目が多い場合は、ベースとなるグラフを1つ作成しておき、それを使用してグリッドマップグラフを作図することもできます。
ここでは、サンプルのOPJUファイルの「Graph2」をベースにしてグリッドマップグラフを作成します。

グリッドマップグラフ作成のためのベースグラフのサンプル

操作方法

  1. 作図するデータ(サンプルでは全列)を選択して、「作図:マップ:グリッドマップ」を選択してダイアログを開きます。
  2. グリッドマップグラフのダイアログを開く
  3. 「プロットタイプ」を「ベースグラフ」にし、下の「ベースグラフ」の項目の右にあるボタンをクリックしてベースグラフであるGraph2をアクティブにしてダイアログに戻ります。
  4. プロットタイプをベースグラフに設定
  5. 「軸スケールを共有」にチェックを付けると、全てのグラフで同じXY軸スケールで設定されます。「識別子を表示」は各グラフを識別するためのラベルを表示するか指定します。今回は両方チェックを付け、「識別子」として、都道府県名の入力された「ロングネーム」を指定します。
  6. 「レイヤの並べ方」では、列と行の値を用意したラベル行をそれぞれ指定します。
  7. レイヤの配置を入力したラベル行を選択
  8. 「OK」をクリックすると、グラフが作成されます。
  9. ベースグラフを使ったグリッドマップグラフを作図完了

日本地図でのグリッドマップグラフ

全国の人口データを使用したグリッドマップグラフのサンプルデータを以下よりダウンロード可能です。ワークシートのデータを別のデータと置き換えてグラフを表示したり、配置の参考にご利用いただけます。

サンプルデータ(sample_gridmap_japan.zip)

zip

zip(42.6KB)

(データ出典:e-Stat「人口推計」)

日本の全都道府県の人口データを使用したグリッドマップグラフのサンプル

テクニカルサポート

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その際、必ず「製品名」「バージョン」「シリアル番号」をご連絡ください。

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