Vol.46 インポート設定の保存と再利用
(基礎編)

Originでは、「インポートウィザード」という機能を使用して、インポートするファイルの構造を確認しながらファイルを読み込めます。また、一度、読み込んだファイルのインポート設定をフィルタとして保存すれば、次回以降同じ形式のファイルをインポートする際はドラッグ&ドロップでのインポートが可能になります。
「インポートウィザード」は多機能なため、複雑な構造のファイルをインポートできますが、設定項目が多くとっつきにくく感じることもあるかもしれません。そこで今回は比較的簡単な設定だけに絞った操作をご紹介します。

この記事を読むとこれができます!

  • ヘッダがあるデータファイルをインポートできる
  • インポートの設定をフィルタとして保存し、同形式のデータをドラッグ&ドロップでインポート可能
  • インポートフィルタをほかのユーザに共有し、誰でも簡単にインポート
ドラッグ&ドロップでインポート
グラフから動画を作成

なお、その他のインポート機能の操作については以下のページで案内しています。

サンプルデータ

使用するサンプルデータは、以下よりダウンロードできますので、お手持ちのOrigin上で実際にインポートの操作をお試しいただけます。

サンプルデータ(import_wizard.zip)

zip

zip(4.13KB)

フォルダ内に3つの.datファイルがありますが、メモ帳などのテキストエディタで開いてみるとどのファイルも同じ構造のファイルにであることがわかります。

サンプルファイルの内容

ファイル構造を指定してインポート

ここでは、サンプルのデータを下図のようにインポートしていきます。

ヘッダ部分の処理を指定してインポート

  1. 「データ」メニューの「ファイルからインポート:インポートウィザード」と選択してインポートウィザードを開きます。最初のページでは、データタイプと、インポートするファイルを指定します。今回使用するデータはASCIIファイルなので、「データタイプ」は「ASCII」を選択し、「ファイル」でサンプルデータのF1.datを参照します。
  2. インポートウィザードでデータタイプとファイルを指定

  3. 「進む」ボタンをクリックします。このページでは、インポートするファイルの構造を指定できます。今回は、F1.datを以下のようにインポートしていきます。
  4. サンプルファイルの内容

  5. インポートウィザードの下パネルではファイルの内容をプレビューできるので、これを確認しながらファイル構造を指定します。ここでは、下図のように設定します。
  6. ファイルのヘッダ部分を指定

  7. 「進む」ボタンをクリックして開く「変数抽出」ページは、インポートするファイル名やヘッダ部分から変数を抽出したい場合に設定します。さらに次の「ファイル名オプション」ページでは、ワークシートやワークブックの名前の付け方などを指定できます。これらのページは必要に応じて設定してください。ダイアログの設定の詳細は、キーボードのF1キー押して開くヘルプを参照してください。
  8. 「データ列」ページでは、下パネルのプレビューを確認しながら、インポートするファイルの区切り文字を指定したり、データ列の属性を設定できます。今回は「XY属性の割り当て」として「(XYE)」を選択して「適用」をクリックします。
  9. インポート後の列属性を指定

  10. 次の「データ選択」のページは、データを部分的にインポートする場合に設定します。インポートする列や行の範囲を指定したり、データ行部分に数値でない値がある場合の処理などを指定できます。
  11. 「進む」をクリックして「フィルタの保存」ページを開きます。ここまでで行ってきたインポートの設定をフィルタとして保存するか指定します。フィルタを保存すると以後同じ形式のファイルをインポートする際にドラッグ&ドロップのみでインポート可能になります。「フィルタとして保存する」にチェックを付け、「ファイル名」を指定します。
  12. サンプルファイルの内容

    「該当ファイル」では、保存したフィルタを適用するファイル名の指定ができます。上図のように「F*.dat」と指定した場合、「Fから始まる拡張子.datのファイルに対してこのフィルタを適用します。

    「該当ファイル」のサンプル

    *.txt : 拡張子.txtのファイルに対してフィルタが適用されます。
    Experiment*.txt : Experimentで始まるすべての.txtファイルにフィルタが適用されます。
    s.???.dat : sで始まり、その後に任意の3文字が続く.datファイルにフィルタが適用されます。

    複数指定する場合は、*.txt; *.dat; mydata*.*のようにセミコロンを使用します。

  13. 「完了」をクリックすると、データがインポートされます。操作5の「データ列」ページで列属性をあらかじめ指定したのでそのまま作図操作に移ることができます。下図ではB、C列を選択して「作図:基本の2D:散布図」を選択してエラーバー付きの散布図を作図しています。
  14. インポート後ヘッダ行の情報が指定したラベル行に表示

    なお、ワークブックウィンドウの左下にある「オーガナイザを表示/非表示」ボタンをクリックすると、インポートしたファイルの情報を確認できます。

    ワークブックオーガナイザにインポートファイルの情報が表示

インポートフィルタを使ってインポート

保存したインポートフィルタは同じ形式のファイルをOriginにドラッグアンドドロップすることで使用可能です。利用可能なフィルタが複数ある場合は小さいダイアログが開くので、使用するフィルタを選択します。

フィルタを使ってインポート

インポートフィルタを共有

保存したフィルタは他のOriginユーザと共有可能です。デフォルトの保存先は「ユーザファイルフォルダ」で、これは「ヘルプ:フォルダを開く:ユーザファイルフォルダ」を選択して開くことができます。

ユーザファイルフォルダを開く

インポートフィルタは「Filters」フォルダに保存されています。拡張子.oifのファイルを相手先のOriginのワークスペースにドラッグ&ドロップするだけで使用できるようになります。

oifファイルをドラッグ&ドロップしてフィルタを共有

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