Originのグラフでは、軸の特定の位置に線を表示したり、指定したスケールの領域を塗りつぶすといった用途で「参照線」を使用できます。参照線の位置は数値で指定することもできますが、最大値、最小値、平均値といった統計量や関数式によって表示することもできます。参照線の表示は柔軟にカスタマイズでき、ラベルを付けもできます。
今回は、参照線の表示方法や編集操作、バリエーションについて紹介していきます。
例えば、下図のグラフのピーク位置にX軸に垂直な線を引きたい場合を考えます。まずX軸上でダブルクリックして軸ダイアログを開きます。
「参照線」タブを開き、「軸の値」の欄に垂線を表示したいXの値を入力します。下図の場合、X=844.75を入力しています。「線」にチェックが付いているのを確認して、「適用」ボタンをクリックすると、グラフ上に線が表示されます。
ほかの場所にも参照線を表示したい場合は表の「軸の値」に値を追加していきます。
なお、表示された参照線にラベルを付けたい場合は、「ラベル」にチェックを付け、「ラベルテキスト」で表示する内容を設定できます。下図では「ラベルテキスト」が<入力値>で、「軸の値」に入力した値をそのまま表示していますが、ほかのテキストを直接入力して表示することもできます。
追加した参照線の色やスタイルといったフォーマットを変更する場合は、「詳細」ボタンをクリックします。
「自動フォーマット」のチェックを外すと、その下の設定項目を利用可能になるので、必要に応じて編集して、「適用」をクリックすると変更が適用されます。
編集した参照線を同じフォーマットで違う位置に参照線を表示したい場合は、左パネルの項目上で右クリックして「複製」を選択するのが簡単です。
複製された項目が選択された状態で「軸の値」を入力して「適用」をクリックすると、その位置に参照線が表示されます。
なお、参照線の設定はグラフテンプレートにも保存されます。
参照線の位置を数値で指定して表示する以外に、データの平均値や標準偏差といった統計量の位置に参照線を表示することもできます。
このような参照線を表示するには、軸上でダブルクリックして開く軸ダイアログの「参照線」タブで「詳細」ボタンをクリックして設定ダイアログを開き、「追加」ボタンをクリックして参照線の項目を追加します。
「値の種類」を「統計」に変更して「軸の値」の項目の右側にある矢印ボタンをクリックして、参照線を表示したい統計量を選択し、適用すると表示できます。
「ラベル」の「表示」にチェックを付けると、指定した統計量の値や名称を使用したラベルを付けることができます。下図では、小数点以下3桁の表示設定で平均値のラベルを付けていますが、有効桁数など他のフォーマット指定も可能です。
表示された参照線は、プロットデータから計算された値を使用しているので、元のデータを変更するとそれに合わせて参照線も自動で更新されます。
Originでは、数式を使った参照線を表示させることもできます。関数グラフの機能でも同じように表示させることができますが、参照線で設定すると、グラフテンプレートとして保存して繰り返し使用可能であるという利点があります。
操作は統計量を使った参照線と同様で、軸上でダブルクリックして開く軸ダイアログの「参照線」タブで「詳細」ボタンをクリックして設定ダイアログを開き、「追加」ボタンをクリックして参照線の項目を追加します。
「値の種類」を「式」に変更して「軸の値」の項目で式を入力すると表示できます。必要に応じてラベルや参照線のフォーマットを設定します。
編集した参照線の設定をデフォルトとして設定できます。この設定により、別のグラフウィンドウや他のプロジェクトファイルにあるグラフにも同じフォーマットで参照線を追加できるようになります。なお、この機能はバージョン2023で追加されたものです。
設定するには、グラフ上にすでに参照線が表示されている場合は、その線の上で右クリックして「デフォルトの線種として設定」を選択します。あるいは、軸ダイアログの参照線タブの「詳細」ボタンを押したときに開くダイアログの左パネルで、デフォルトに設定したい参照線上で右クリックして「デフォルトの線種として設定」を選択します。
この操作以降、参照線を追加すると、同じフォーマットの参照線が追加されます。
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