正規性の検定
正規性の検定とは、あるデータの母集団が正規分布に従うかどうか調べるための検定です。t検定や分散分析などデータが正規分布に従うことを仮定する統計手法を使う場合によく使用されます。
Originでは以下の手法で正規性の検定を実行することができ、サンプルサイズや平均値、標準偏差といった記述統計値とともに統計量やP値などの検定結果が出力されます。
- Shapiro-Wilk
- Kolmogorov-Smirnov ※
- Lilliefors
- Anderson-Darling
- D'Agostino-K二乗(歪度、尖度、オムニバス)
- Chen-Shapiro
※Kolmogorov-Smirnovを選択すると、統計値を算出する際の2つのオプションを指定できます。一つが「推定」でサンプルデータから推定される平均と分散を使用します。もう一方が「指定」で、ユーザが指定した平均と分散の値を使用して計算を実行します。
また、入力データのグループ分けや、結果シートにボックスチャートやヒストグラムを出力するオプションも利用できます。
別名:シャピロ–ウィルク検定、コルモゴロフ–スミルノフ検定、リリーフォルス検定、アンダーソン–ダーリング検定、ダゴスティーノのK二乗検定など
正規性の検定のOriginでの操作方法
正規性の検定の操作方法を動画でご紹介しています。Originでは、6種類の検定手法から選択して実行できます。また、動画では、正規Q-Qプロットの作図操作もご案内しています。※字幕のみの動画(音声なし)
サンプルデータをダウンロード可能なので、お手持ちのOriginや体験版を使用して実際に操作をお試しいただけます。
右下のボタンで画面を大きくし、で解像度720以上の設定にしてご覧いただくことをお勧めします。
操作方法
正規性の検定
- サンプルデータのワークブックには、ナットの直径を計測した結果をまとめたデータが入力されています。正規性の検定を実行してデータの正規性を調べます。
- A列を選択し、メインメニューから「統計:記述統計:正規性の検定」を選択します。
- データ列を選択してからダイアログを開いたので、入力データが適切に設定されていることがわかります。
- 「計算する値」タブで正規性の検定の手法を選びます。ここでは全て選択します。
- Kolmogorov-Smirnovを選択した場合、「推定」を選択するとデータから推定される平均と分散を使用して検定し、「指定」を選択するとユーザが指定した平均と分散の値を使用して検定します。
- 「プロット」タブで「ヒストグラム」と「ボックスチャート」にチェックを付ると、結果シートにグラフを表示できます。「OK」をクリックして、レポートシートに切り替えます。
- ダイアログで選択した手法ごとに統計量やp値などの値が表示されます。今回は、どの手法の場合も正規性を棄却できないという結果になっています。
- レポートシートの下の方には、オプションで指定したグラフが表示されています。グラフをダブルクリックすると、個別のグラフウィンドウとして開くのでグラフを編集したり、エクスポートするといった操作が可能です。
正規Q-Qプロットを作図
- データが正規分布に従うか視覚的に確認する方法として正規Q-Qプロットを作図し、プロットが直線状に分布しているか確認する方法もあります。
- Originで正規Q-Qプロットを作図するには、「diameter」シート上のA列を選択し、メインメニューから「作図:統計:Q-Q図」を選択します。
- ダイアログの「分布」で確率分布を選択できます。ここではデフォルトの設定のまま「OK」をクリックします。
- プロットが直線状に分布していることが確認できます。