検出力とサンプルサイズ (Pro版のみ)

検出力とサンプルサイズ分析は、実験を組み立てるのに役立ちます。与えられたサンプルサイズに対する実験の検出力が計算でき、同様に与えられた検出力値に必要なサンプルサイズの計算もできます。

検出力とサンプルサイズの計算は、検定に依存します。それは最初の仮説検定が1標本のt検定である場合、検出力とサンプルサイズの計算はその検定に基づいていなければならないということで、そうでなければその結果は正しくないということになります。

OriginProでは以下の分析方法を利用できます。

以下では、それぞれの手法に対するダイアログの設定を実際の使用例と共に説明しています。

1集団のt検定の検出力とサンプルサイズ

社会学者が、アメリカにおける乳児の平均死亡率が8%であるかどうか調べるものとします。実験計画では、死亡率の差は0.5以上は変化しません。また、予備実験から、標準偏差は2.1であるという事が分かっています。
検出力の値が0.7、0.8、0.9に対し、信頼水準95%(アルファ=0.05)で乳児の平均死亡率を推定するようなサンプルサイズを求めます。

 

 

 

 

2集団のt検定の検出力とサンプルサイズ

ある診療所では、2つの保険制度Healthwise と Medcareに加入しています。この2つの保険に対して、請求してから補償給付までの平均時間(日数)を比較するものとします。経験上、Healthwiseでは、平均32日で標準偏差7.5日であることが分かっています。また、Medcareは、補償給付までの平均時間は42日で、標準偏差は3.5日です。
それぞれの保険に対して行われた10個の請求を抜き出し、補償までの平均時間を記録します。2つの保険における平均時間の差が5%以上になるための検出力を求めます。

 

 

 

対データのt検定の検出力とサンプルサイズ

アモルファスシリコンの薄いフィルムの深さを測る同じ機械が2つあります。この2つの機械の計測結果に違いがあるかどうかを確認するために、技術者はこのアモルファスシリコンの薄いフィルムの深さを同じ場所で測り、違いがあるかみたいと考えています。以前行われたアモルファスシリコンの実験から、違いの標準偏差は2µmであるとわかっています。この値は、この実験の違いの標準偏差を推定するのに使用されます。この2つの機械の差異は0.5よりも大きくなるはずがなく、機械1によって計測された平均の深さは5000µmです。
検出力0.8、0.9、0.95に対し、信頼水準99%でいくつのサンプルが必要か求めます。

 

一元配置ANOVAの検出力とサンプルサイズ

植物の種類で窒素含有量が異なるか、調べるものとします。4種類の植物に対して窒素含有量をミリグラム単位で記録する実験を計画しています (各々の種類に対して80個の標本を観測します)。この実験は妥当でしょうか。なお、先に実験を行った研究者は、MSE(平均二乗誤差)の平方根は60で、平均のCSS(補正平方和)は400であると提示しています。

 

 

 

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