コーディング担当者間の合意

このページでは、2つのプロジェクトファイルを統合する方法について解説しています。

マージ

プロジェクトをマージする

  • 開いているプロジェクトファイルに、別のプロジェクトファイルの内容を統合(マージ)します
  • 同じ名前の文書がある場合は、もとの文書に加えて同名の文書が追加されます
  • プロジェクトメモとコードメモは、どちらか一方のファイルにあるメモのみ保持されます
マージ

操作方法

  1. マスターにするプロジェクトファイルを開き、ホームタブの「プロジェクトをマージする」をクリックします。統合するファイルを選択して「開く」をクリックします。
    マージ
  2. 保持するプロジェクトメモとコードメモを選択します。
    マージ
    ここで選択したプロジェクトファイルのメモのみが 保持されます。もう一方のプロジェクトファイルにあるプロジェクトメモとコードメモは、マージ後のファイルには反映されません。その他のメモ(文書メモや文書内のメモ等)はマージされます。
    「すでにある文書をインポートしないでください」にチェックを入れると、同名の文書はインポートされません。現在開いているプロジェクトファイルに存在しない文書のみがインポートされます。
  3. 「OK」をクリックするとマージが実行されます。マージ前のプロジェクトファイルも保存されます。
    マージ

コーディング担当者間の合意

  • 複数人が同じ文書を同じコードで分析した場合に、分析結果を比較することができます

分析手順

  1. コードシステムのインポート・エクスポート機能を使用して、分析者のコードシステムを同一にします。

    関連ページコードシステムのエクスポートとインポート

  2. 各自が分析を行います。
  3. ファイルをマージします。
  4. コーディング担当者の名前を入れるなど、文書グループ名を分かりやすい名前に変更します。
    コーディング担当者間の合意
  5. 分析タブの「コーディング担当者間の合意」をクリックします。
    コーディング担当者間の合意
  6. 比較する文書グループを選択します。「アクティブ化された文書のみ」で分析することもできます。
    コーディング担当者間の合意
  7. 一致のタイプを選択します。
  8. 文書内のコードの存在:
    文書にコードがあるかないかを比較します。どちらにもコードがあれば一致、片方にのみコードがあれば不一致となります。
    文書内のコードの頻度:
    コードが付与されている回数を比較します。コードが同じ回数付与されていれば一致、異なる回数付与されていれば不一致となります。
    ~%以上のセグメントでのコード重複:
    コード付きセグメントごとに一致を比較します。
    コーディング担当者間の合意コーディング担当者間の合意
    コードが重なって付与されている部分の全体は9文字、コードが重なっている部分は3文字です。したがって、「33%以上のセグメントでのコード重複」を解析すると一致となり、「34%以上のセグメントでのコード重複」を解析すると不一致となります。
  9. 「OK」をクリックすると、分析結果が表示されます。
    コーディング担当者間の合意
  10. 「文書内のコードの存在」「文書内のコードの頻度」で分析した場合は、文書の行をダブルクリックするとコードマトリックス・ブラウザが開きます。文書内のコード数を比較することができます。
    コーディング担当者間の合意
  11. 関連ページコードマトリックス・ブラウザ


コード付きセグメントを比較する

「~%以上のセグメントでのコード重複」で分析し、「2つの文書ブラウザのウィンドウに表示する」を設定すると、コード付きセグメントを並べて比較することができます。

コーディング担当者間の合意

評価者信頼性

「~%以上のセグメントでのコード重複」で分析した場合は、iconカッパをクリックするとΚ係数が表示されます。

コーディング担当者間の合意

ワンポイントアドバイス

MAXQDAでは、コーディング担当者間の一致率を評価するために、Κ係数 Brennan, Prediger (1981)を計算することができます。Κ係数は、一致率から偶然による一致の影響を除外する目的で計算されます。

Landis, Koch (1977)によると、Κ係数の一致度は、下記のように判断できます。

Κ係数評価
< 0.00Poor(一致しない)
0.00 - 0.02Slight(あまり一致しない)
0.21 - 0.40Fair(どちらでもない)
0.41 - 0.60Moderate(そこそこ一致する)
0.61 - 0.80Substantial(よく一致する)
0.81- 1.00Almost Perfect(ほぼ完全に一致する)

Κ係数のような計算を行うには、事前にセグメントの区切りと使用するコードを定義しておく必要があります。しかし、質的データ分析では、それぞれの分析者が文書全体を読み、任意のセグメントにコードを割り当てるという手順で分析を行います。この場合、二人の分析者が全く同じセグメントに同じコードを付与する確率は低くなります。

通常、一致率から偶然の一致を除いたΚ係数は、一致率に比べて一致度が低くなります。しかし、質的データ分析では偶然による一致の影響が小さいため、Κ係数は一致率とほぼ同程度になるとも考えられます。

どのような場合でも、計算結果を慎重に検討する必要があります。

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