インタビューやアンケートの自由記述を分析する方法として、「質的研究」「定性的研究」「質的データ分析」「QDA(Qualitative Data Analysis)」といった言葉を聞いたことはありませんか?「実際に始めるのはハードルが高い」「参考書を読んでもよくわからなかった」というお悩みを解決するために、質的データ分析の概要についてまとめました。
MAXQDAの妖精
まっきゅすクン
まず、質的データと量的データの種類を具体的に見てみましょう。
質的データ(定性データ)の例 | 量的データ(定量データ)の例 |
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フィールドノーツ、インタビュー記録、日誌、社史、議事録、小説、エッセイ、アンケートの自由記述回答、写真や絵画、音楽や映像、ブログやSNSへの投稿、企業理念 | アンケートの選択式回答(サーベイデータ)、国勢調査データ、視聴率、内閣支持率、犯罪統計、企業の財務データ、株価チャート、体温・血圧などの測定値 |
いかがでしょうか?
量的データの本質は、すべて数値で表すことができます。
それに対して、質的データでは情報の本質が数値で表されません。そして、量的データにはない豊かな意味を内包しています。
質的データ分析は、その名の通り質的データを分析の対象とします。それでは、質的データを対象に研究すれば、質的データ分析と言えるでしょうか?
実は、テキストマイニングのように「出現する単語の種類と出現回数を数える」「ある単語と別の単語が同時に出現する(共起する)回数を調べる」といった分析は、量的データ分析に含まれます。
質的データ分析には、下記のような特徴があります。
複雑かつ構造的な意味世界を解明できるのが質的データ分析の強みです。
質的研究の具体例を見てみましょう。質的研究は、以下のような場合に強みを発揮します。
佐藤(2008b)の分類を元に具体例を作成
質的研究は、看護の研究から発展し、医療、社会科学、教育学、人文学など様々な分野で広く行われています。近年は、マーケティングや工学などの分野でも活用されつつあります。
「インタビューを読んで論文を書くってどうするの?個人の感想になってしまわないかな?」
そんな声が聞こえてきそうですね。問いに対する答えを理論的に導くために、質的データ分析にも型やルールがあります。それぞれの分析の理論や手順を理解した上で分析を進めていきましょう。
サトウ(2019)より抜粋
質的研究は次のような流れで進めます。
質的研究では、研究の過程で分析対象のデータや研究メモ、引用文献など、膨大な量のデータが発生します。情報カードなどを使うアナログな分析方法では、情報の管理に手間がかかる、収納スペースが必要、データを検索できないなどの問題が起こってしまいます。
そこで、質的データ分析のために設計された専用のコンピューターソフトウェア・CAQDAS(Computer Assisted Qualitative Data Analysis Software)を使うと、情報の整理や分析を効率良く進めることができます。
MAXQDAは、どの分析手法でも使いやすいように設計された、日本語完全対応のCAQDASです。膨大な量のデータを整理する、繰り返しコーディングを行う、データを俯瞰する、データの細部を引用するといった、質的データ分析に必要な作業を強力にサポートします。さらに、テキストマイニングなどの量的データ分析も併用できるよう、単語の計数機能や統計分析機能も搭載しています。MAXQDAを活用して、質的データ分析を快適に進めましょう。
株式会社ライトストーンは、MAXQDAの正規販売代理店です。初めてMAXQDAをご利用される皆様を全力でサポートいたします。