Vol.53 パラメータを固定してフィット

線形フィットや多項式フィットの機能で切片を固定したり、非線形曲線フィットの機能でフィット関数のパラメータの値を固定する操作についてご案内します。特に通常の多項式フィットツールでは係数の指定ができないので、代わりに非線形曲線フィットのダイアログを使用して実行します。

この記事を読むとこれができます!

  • 線形フィットで切片や傾きを固定したり、多項式フィット、非線形曲線フィットでフィット関数に含まれるパラメータ値を固定
  • 非線形フィット関数で使用するフィット関数を検索
パラメータを固定して多項式フィット

サンプルファイル

使用するサンプルファイルは、以下よりダウンロードできますので、お手持ちのOrigin/Pro上で実際の操作をお試しいただけます。

サンプルファイル(fix-parameters.zip)

zip

zip(61.4KB)

ダウンロードしたサンプルファイルを開いたら、「表示:プロジェクト・エクスプローラ」を選択して開くウィンドウで、フォルダを切り替えてデータを使用してください。

線形フィットの場合

  1. Originでサンプルファイルを開き、「表示:プロジェクト・エクスプローラ」メニューで開いたプロジェクトエクスプローラ内の「01_線形フィット」フォルダを選択して開きます。
  2. プロジェクトエクスプローラでデータフォルダを開く
  3. Graph1のウィンドウをアクティブにして「解析:フィット:線形フィット」を選択します。
  4. 開いたダイアログで、「フィット制御」タブを開きます。「切片固定」または「勾配固定」の設定を使用して切片または傾きを指定値で固定できます。ここでは切片を0で固定します。
  5. 線形フィットダイアログの「フィット制御」タブ
  6. 「フィット曲線のプロット」タブで「Xデータタイプ」の「範囲」を「全X軸範囲」にして実行すると、以下のように結果が出力されます。
  7. 切片を固定した線形フィットの結果

多項式フィットの場合

「解析:フィット:多項式フィット」メニューから実行する場合、線形フィットの場合と同様に「フィット制御」タブで切片(定数項)の固定が可能です。それ以外のパラメータ、例えば y = A + Bx + Cx2 + Dx3 でフィットする場合のBやCなどの係数を固定したい場合には、「非線形曲線フィット」ダイアログで多項式フィットを実行する必要があります。

  1. サンプルファイルで「表示:プロジェクト・エクスプローラ」メニューで開いたプロジェクトエクスプローラ内の「02_多項式フィット」フォルダを選択して開きます。
  2. プロジェクトエクスプローラでデータフォルダを開く
  3. Graph2をアクティブにして「解析:フィット:非線形曲線フィット」を選択してダイアログを開きます。
  4. 「カテゴリ」を「Polynomial」にし、「関数」ドロップダウンから関数を選択します。下部パネルの「数式」や「曲線サンプル」タブでどんな関数かを確認できます。
  5. 「カテゴリ」を「Polynomial」にし「関数」を選択

    関数カテゴリ「Polynomial」

    関数カテゴリ「Polynomial」を選択すると様々な多項式をフィット関数として選択できます。このカテゴリ内の関数一覧は以下のページを参照してください。

    また、非線形曲線フィットダイアログの「検索」ボタンをクリックすると、「フィット関数を検索」機能を使用できます。「多項式」などと入力してフィット関数を検索し、使用する関数が見つかったらダブルクリックすればフィット関数として設定可能です。

    「フィット関数を検索」機能を使ってフィット関数を選択
  6. 「パラメータ」タブで、各パラメータの「値」欄をダブルクリックすることで値を指定でき、「固定」にチェックを付けると、パラメータ値を固定できます。
  7. パラメータタブで各パラメータの値を指定または固定
  8. 「フィット」ボタンをクリックすると、フィット結果が表示されます。結果の表で、値を固定したパラメータを確認できます。
  9. レポートシートで値を固定したパラメータを確認

    出力するフィット曲線の表示範囲を広げたい場合は以下のページを参照してください。

非線形曲線フィットの場合

非線形曲線フィットでも選択したフィット関数のパラメータの値を固定する操作が可能です。

  1. サンプルファイルで「表示:プロジェクト・エクスプローラ」メニューで開いたプロジェクトエクスプローラ内の「03_非線形曲線フィット」フォルダを選択して開きます。
  2. プロジェクトエクスプローラでデータフォルダを開く
  3. Graph3をアクティブにして「解析:フィット:非線形曲線フィット」を選択してダイアログを開きます。
  4. 「カテゴリ」と「関数」を設定します。下図では関数カテゴリとして「Growth/Sigmoidal」を選択し、「関数」ドロップダウンから「DoseResp」をフィット関数として選択しています。
  5. カテゴリとして「Growth/Sigmoidal」を選択し、「関数」ドロップダウンから「DoseResp」をフィット関数として選択

    フィット関数を検索

    非線形曲線フィットダイアログの「検索」ボタンをクリックすると、「フィット関数を検索」機能を使用できます。「多項式」などと入力してフィット関数を検索し、使用する関数が見つかったらダブルクリックすればフィット関数として設定できます。

    「フィット関数を検索」機能を使ってフィット関数を選択
  6. 「パラメータ」タブで、各パラメータの「値」欄をダブルクリックすることで値を指定でき、「固定」にチェックを付けると、パラメータ値を固定できます。
  7. パラメータタブで各パラメータの値を指定または固定

    境界条件と線形制約

    値を固定するほかに、各パラメータの値の取りうる範囲を設定したり、制約条件を設定することも可能です。

  8. 「フィット」ボタンをクリックすると、フィット結果が表示されます。結果の表で、値を固定したパラメータを確認できます。
  9. レポートシートで値を固定したパラメータを確認

テクニカルサポート

ご不明な点がございましたら、お気軽にお問合せフォームよりテクニカルサポートまでご連絡ください。

その際、必ず「製品名」「バージョン」「シリアル番号」をご連絡ください。

page_top_icon