シュティフダイアグラム(ヘキサダイアグラム)は、 単一の水サンプルのイオン組成を視覚的に表現する方法です。水サンプルのカチオン(陽イオン)とアニオン(陰イオン)の値が記録され、1リットルあたりのミリ当量でプロットされます。グラフの左側はカチオン濃度、右側はアニオン濃度を示しています。
X軸に沿って点が中心から離れるほど、イオン濃度は大きくなります。各イオン点を接続して多角形としたものがシュティフダイアグラムです。プロットの相対的なサイズは、総溶解固形物濃度を示します。
対象となる複数のサンプルのシュティフダイアグラムを作成し、それらを一度に視覚的に比較するのが一般的です。
サンプルが地理的に近い場合、シュティフダイアグラムと航空画像を組み合わせることが効果的なプレゼンテーション方法となります。
イオン濃度が高い井戸がどこにあるのか、そしてなぜこれがより大きな問題を警告するサインである可能性があるのか、といったことを分かりやすく示すことができます。
シュティフダイアグラムを用いる一般的な目的は、上記のように複数のシュティフダイアグラム間の関係を比較することによって、帯水層または場所に関する全体的な分析を行うことです。
水文地質学者や地球化学者はサンプルに存在する主要なイオンを迅速に特定できます。そして単一のグラフではなく複数のグラフを比較することで、異なる場所・深度、帯水層の間などの水サンプルのイオン組成を比較することができます。
支配的なイオンが特定されると、科学者は帯水層の水の化学的変化を経時的に追跡できるようになります。
時間の経過に伴うシュティフダイアグラムの変化は、水源の変化、帯水層内で発生する地球化学プロセスの変化、存在する汚染物質の量や種類の変化を示している可能性があります。
シュティフダイアグラムを作成するには
データの構造として、陽イオンと陰イオンが別々の列に存在し、各値が別々の行に存在する必要があります。
サンプルフォルダ(C:\Program Files\Golden Software\Grapher\Samples)にある「Stiff Data.xls」というサンプルファイルを開いてみると、下図のようになっています。
上記のデータでは、列Aと列Cはそれぞれカチオン名とアニオン名のラベル列です。列BとDはプロットされるデータ値です。この値により、データ点が中心0の線からどのくらい離れた位置にプロットされるかが決まります。このデータをプロットすると、下図のようになります。