EViews ユーザ事例 第8回
学んだことを「業務に活かせる」ことが大切!(2)
早稲田大学大学院 ファイナンス研究科 宇野 淳 教授
EViewsなら実証分析が簡単!
―― ファイナンス研究科の学生の中には多くの知識と経験を持つプロの投資家と呼ばれる方も在籍するとお聞きしましたが、彼らにとっては「実証分析の能力」よりも「経験」の重要性が非常に高いと思われますが。
【宇野先生】
プロの投資家にとって、経験に基づく「主観的な判断」が「客観的」な裏づけを得られるか、ということに非常に大きな興味をもっています。「イベントスタディ」の場合でいえば、過去の似たような事例を多数集めて、自分が重要だと思っている企業行動に対する株価の反応が、統計学的に一定方向の反応を示しているのか、ということを知ることは、意義のあることです。
EViewsを使えば、このような実証分析が手軽に行えるということは重要です。昔なら想像できないような大容量のデータでも、EViewsを使って簡単に実証分析の結果が得られるので、これを活用できればプロの投資家の判断がより合理的な裏づけをもったものになるでしょう。
ファイナンス分野での利用事例に期待
―― EViewsを最初に知ったきっかけを教えてください。
【宇野先生】
2005年から「ファイナンスのためのデータ解析」という講義で使い始めました。データ解析を実習させる統計ソフトとして採用しました。
―― 先生ご自身もこの時に初めて知ったのでしょうか?
【宇野先生】
それまで他のデータ分析ソフトを利用していましたが、ファイナンスを研究するうえで必ずしも使いやすいインタフェースではありませんでした。また、統計的な機能については不足していた部分がありました。
しかし、EViewsというソフトがあることを他の先生から教えてもらいました。忙しい社会人でも、手軽に操作方法を覚えることができ、在学生は特別料金でソフトウエアを購入できるので、自宅でも課題に取り組むことができるようになりました。
―― EViewsを利用した講義について、学生の反応はいかがですか。
【宇野先生】
EViewsはプルダウン方式なので、かなり使いやすいと思いますが、それでも初めての学生にとっては、なかなか、覚えられないようです。そこで、講義の実習や課題で使う機能については、step by stepマニュアルを作成して、これを見れば講義ノートと同じ結果が誰でも出せるようにしています。
EViews自体、かなり操作性はよいと思います。ただ、これまでの解説テキストなどは経済学や時系列系のものが多いので、ファイナンスの分野でよく使うデータを前提とした利用事例が増えると役立つと思います。