EViews ユーザ事例 第7回
EViewsの活用で浮いたマンパワーを利用し、ほかの分析手法も実行!(2)
三菱総合研究所 政策・経済研究センター 主席研究員 後藤 康雄 様
EViewsをマクロモデルや時系列モデルに利用
―― ところで、EViewsを知ったきっかけと、実際にご利用し始めた時期を教えてください。
【後藤氏】
知ったきっかけは口コミです。仕事がら、経済分析を仕事にする知り合いが多いのですが、4~5年ぐらい前からEViewsを使っている人が多いことに気づき、使ってみようと思いました。実際にEViewsを使い始めたのは一昨年頃からです。それから実証分析というものに対して、より一層理解が深まったと感じています。
経済学の教科書で理論だけ勉強しても、なぜこんな計測をするのだろうと疑問に感じてしまうことがあるかもしれません。しかし、実際にデータを集めて分析をしてみると、統計量や分析手法の持つ意味がよく分かると思います。ですから、学部生の皆さんのように、若い人たちが、統計などの基礎をしっかり勉強し、次に手を動かして実証分析に取り組むことは非常に意味のあることだと思います。
―― EViewsをどのような目的のために利用していますか。また、どのような機能が便利だとお感じになりますか。
【後藤氏】
目的ですが、まずはマクロモデルです。ただこれは私自身もさることながら、私の部署全体としての中心的な使い方です。私自身はむしろそのときどきのテーマ研究に使うことが多いです。時系列モデルなどをよく利用します。
EViewsはメニュー画面が充実しているので、マニュアルを見なくても、とりあえず適当にいじっていればやりたいことにたどりつけます。本当に深掘りした独自の分析となるとコマンドを使うことになりますが、プレリミナリーな分析の部分で疲弊しないですむのは大いに助かります。
―― EViewsの機能などで、不便・わかりにくいと思われる部分を教えてください。
【後藤氏】
とりたてて不便は感じませんが、ファイルの保存の時などに小数点の表示桁数の設定の選択を聞いてくるのは少しわずらわしく感じることもあります。また、procとviewの違いは、講習会で説明を伺うまではよく分かっていませんでした。
ほかには、これは無いものねだりだとは分かっていますが、せめてグラフや表だけでも日本語表示できると、そのまま邦文の研究に貼り付けられるのでありがたいです。
「入門」講習会でハードルが一気に下がった!
―― 講習会もよくご利用いただいています。どのようなご感想をお持ちですか?
【後藤氏】
最初EViewsを使ってみようと思い立ったときに、一方で、慣れるのに時間がかかるのかなとも思っていました。それが最初の「入門コース」を受講してハードルが一気に下がりました。EViewsを利用した計量経済学の本が色々と出ていますが、実際に本の通りにやってみようとすると、なかなかうまくいきません。例えば、データの取り込みあたりでいきなり引っかかってしまいます。引っかかったところは時間があるときにやろうと思っているうちに、本を開かなくなってしまいます。講習会では直接指導してもらえ、その場で疑問も解消できるので助かります。
―― eラーニングもご利用いただいていますね。
【後藤氏】
eラーニングは、私より私の部署のスタッフたちが便利に使わせてもらっているようです。講習会に参加する時間がなかなか自由に取れないようなので、いつでも利用できることは利点ですね。最初のハードルを下げることにも大いに役立っていると思います。ほかには、これは無いものねだりだとは分かっていますが、せめてグラフや表だけでも日本語表示できると、そのまま邦文の研究に貼り付けられるのでありがたいです。