EViews ユーザ事例 第4回
大型計算機の時代から比べればEViewsは天国!(3)

専修大学 商学部 教授 大林 守 先生

危険性を認識して使うことが重要!

―― このように、大林先生には、EViewsの便利さや使い勝手の良さを大変評価していただいていますが、誰でも手軽に分析ができてしまうことに対して、先生は警鐘も鳴らしています。損害賠償訴訟裁判の計量モデルに関する専門家証人の経験もあるそうです。(※2)

「ただ、簡単にできすぎてしまうから危ないですよね。そのため荒っぽい分析も結構見かけます。ある程度の経験とか理論的バックグラウンドを持つ指導者がいないところで使う危険性は感じています。そういった意味では、ライトストーンさんには売るだけではなくてそういうコンサルティングとか危険性を指摘するようなサービスをぜひやってもらいたいというのが希望です。」

EViews用のプログラムをWebで公開!

―― 大林先生は以前からプログラムや計量モデルを公開していますが、EViewsのプログラムもWeb上で公開しています。そのひとつが「Threshold Regressionマニュアル」です。

―― 経済成長と中小企業の関係を分析する際に、経済の発展段階別に中小企業の役割が異なるのではないかという仮説を検証するために、同僚の山田節夫先生と作成したのだそうです。

「最初はダミーを入れたりいろいろなことを試したのですが、Threshold Regression手法を見つけ、それを実現するためにEViewsプログラムにしました。データベースと分析のプラットフォームがEViewsなのでほかのソフトを使うのが面倒ですし、応用可能性も期待したからです。」

―― 応用としては、知財保護と経済成長の関係に関しておもしろい結果が出ています。

「Threshold Regressionマニュアル」は、専修大学オープンリサーチセンターのWebで公開中です(http://senshu.asia.sme.googlepages.com/0002.pdf)。
※2012年現在公開は終了しております。

-訪問を終えて-

大林先生はとてもパワフルで話が幅広く、どのお話も、とても興味深いものでした。また、視覚化するということに大変興味があり、グラフに関する書籍もため込んでいる「隠れグラフ研究家」なのだそうです。そのグラフのお話も大変おもしろく、あっという間の1時間でした。

-大林先生おすすめのテキスト-

インタビューの途中で「毎年テキストを変えている」というお話をうかがいましたが、それに関連して、大林先生におすすめのテキストを、一言コメントつきで紹介していただきました。計量経済やEViewsの勉強中の方は、参考にしてみてはいかがでしょうか。

  • Introductory Econometrics With Applications (ハードカバー)
    Ramu Ramanathan (著)
    実例が豊富
  • Introduction to Econometrics (ペーパーバック)
    James H. Stock (著), Mark W. Watson (著)
    標準的なテキスト
  • Using Econometrics (ペーパーバック)
    A.H. Studenmund (著), Elliot B. Koffman (著)
    説明が丁寧なテキスト
  • Introductory Econometrics for Finance (ペーパーバック)
    Chris Brooks (著)
    ファイナンスに特化。現在使用中のテキスト
  • Applied Econometrics: A Modern Approach Using EViews And Microfit (ペーパーバック)
  • Dimitrios Asteriou (著), Stephen G. Hall (著)
    来年度利用を検討中のテキスト

-関連リンク-

  • 大林研究室
    https://prep.jimdofree.com/
  • 『随想 計量モデル屋、証人台に立つ 』 (※2)
    http://www.jlea.jp/ronbun3-1.pdf
    損害賠償訴訟裁判の計量モデルに関する専門家証人の経験を随想にしたものを、Webで全文読むことができます。
    ※2012年現在公開は終了しております。
  • Threshold Regressionマニュアル
    http://senshu.asia.sme.googlepages.com/0002.pdf
    ※2012年現在公開は終了しております。
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