EViews ユーザ事例 第3回
EViewsの機能追加をきっかけにさまざまな統計手法も習得!

跡見学園女子大学 マネジメント学部 准教授 山澤 成康先生

[リンク:山澤先生のホームページ]

研究分野:景気の循環、経済予測
EViewsの用途:研究、学生の授業

論文・書籍・発行元

『実戦 計量経済学入門』日本評論社 (2004年3月)

・ 書籍についてのコメント
「EViewsを使って書いた本で、わかりやすさを重視しています。データもホームページに掲載しております。ぜひ、EViewsと一緒に本を手にとり、お役立ていただければ幸いです。」

景気の循環、経済予測(経済予測の予測誤差はどのようにして生じるのか等)について研究されている山澤先生。著書『実戦 計量経済学入門』では、データ分析にEViewsを使われています。これまでのEViewsとの係わりや現在の活用方法などをうかがいました。

EViewsとは10年の付き合い

―― 山澤先生が、計量経済学の勉強を本格的に始めたのは、仕事で最小二乗法のセミナーを担当したことがきっかけだったそうです。

「最初の頃は、わからないことだらけで、それを解明するために独学で勉強しました。」

―― だからこそ、著書『実戦 計量経済学入門』では、豊富な例題を利用したり、分析目的別インデックスを作ったりして、読者に親切な設計になっているんですね。実践を通して理論を身に付けたい方には、お勧めの入門書になっています。

―― その山澤先生がEViewsと出会ったのは10年ほど前。以前は日本経済研究センターでマクロモデルを作成されていたそうですが、その当時は日経NEEDSが開発したソフト(MARS)やTSPをおもに使っていたそうです。しかしそれは、コマンド形式のもの。

「TSPと同じような機能で格段に使い勝手がいいソフトがあると聞きました。それが、EViewsだったのです。」

―― また、研究だけでなく、「仕事柄、研修生に最小二乗法など、推計を一から教える必要があったので、使い勝手のいいソフトを利用することが必要だったのです。」と、教育面でのメリットも強調されました。

EViewsが「先生」だった !?

「EViewsでは、最初は最小二乗法ぐらいしか利用していませんでした。」

―― ところが、EViewsがバージョンアップするごとに提供される新しい手法を試していくことで「こんな統計手法もあるのか」と、さまざまな手法を習得されたそうです。

「EViewsのメニューから新しい統計手法を教わってきたといっても過言ではありません。」

「統計機能以外では、プログラム機能が「大量のデータ処理を行うには重宝しています。また、海外ではEViewsを使っている人が多く、例えばOECDでも使われています。共通のソフトを利用していると、コミュニケーションがとりやすく、ありがたいですね。」

講義ではディズニーシーの入場者数を推定

―― 現在所属されている跡見学園女子大学での講義では、EViewsを用いた予測や推定を課題にしています。公表されている東京ディズニーリゾートの全体の入場者数から、「ディズニーランド」と「ディズニーシー」それぞれの入場者数を予測推定するというものなどです。

「推定の結果、ディズニーシーの入場者数は、入場者全体の1/4割程度なんですよ。」学生が興味を持つネタを用意し、EViewsを使いながら講義することは、かなり大変で、試行錯誤の連続だそうです。

Ver. 6の登場で主成分分析にもEViewsを!

「今までは、多数のデータから少数の新たな変数(主成分)を求める主成分分析には、EViewsではなくExcelを利用していました。この手法は、国の競争力を測る潜在競争力ランキング* を作成するのに使います。EViewsのバージョン6では、主成分分析機能も利用できるようになったのはいいですね。これからも、EViewsで提供される機能、手法を習得し、活用していきますよ。」

―― EViews6で拡張された主成分分析の機能にもさっそく注目されているようです。実務家出身の先生だけあり、講義、書籍も、より実践的な内容を常に発信されている山澤先生でした。

* 潜在競争力ランキングとは…
「今後10年間にどれだけ1人当たりの国内総生産(GDP)を増加させるか」を測ったものが「潜在競争力」。(1)国際化 (2)企業 (3)教育(4)金融 (5)政府 (6)科学技術 (7)インフラストラクチャー (8)IT(情報技術)の8項目を元に、主成分分析を使って総合洗剤競争力指数(偏差値)を作成する。

『実戦 計量経済学入門』
山澤 成康 著 / 税込価格 3,150円
日本評論社ISBN4-535-55341-6

計量経済分析の概観から始まる本書は、データの分析にEViewsを利用しています。ソフトウェアの操作方法に関する説明はなく、あくまでデータの分析方法と統計学的な解説に重点をおいています。計量経済学を学ぶにあたって必要とされる数学/統計学的なテキストと位置付けることもできそうです。

説明範囲は多岐にわたっており、記述統計量、最小二乗法からはじまり、最尤法、GMM、同時方程式、誤差修正モデル、ARMA、ARCH、単位根検定、共和分検定、プロビット、ロジット、トービット、さらに、時系列とクロスセクションの統合、季節調整、 状態空間モデル、 HPフィルタ、 VAR、 グレンジャーの因果関係、VECについて解説しています。

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