パネルデータ分析
EViewsでパネルデータ分析を行う際の操作方法をご紹介します。固定効果モデルとランダム効果モデルの推定、そしてハウスマン検定の実行方法をご説明します。
パネルワークファイル
パネルデータを分析する場合、通常のEViewsワークファイルとは構造が異なります。
図のRange部分が示すように1960年から1978年までの時系列データで個体数が18(ここでは国)と認識する必要があります。Rangeの文字をダブルクリックしてWorkfile structureダイアログで、Cross section IDとdate IDを確認しましょう。
固定効果モデルの推定
推定は通常の方法でQuick/Estimate Equationと操作します。この時、パネルワークファイルであれば、中央にPanel Optionsというタブを表示します。
次にPanel Optionsのタブを表示してFixed Effectのオプションを選択します。
個体(ここでは国)ごとの固定効果を計測します。OKボタンをクリックすると、次の推定結果を表示します。
固定効果を見てみましょう。Equationオブジェクトで、View/Fixed/Random Effects/Cross Section Effectsと操作します。
固定効果はゼロではないか?
折角、推定した固定はゼロと有意にことなりますか?これを確認しましょう。
View/Fixed/Random Effects Testing/Redundant Fixed Effects - Likelihood ratioと操作します。
帰無仮説は「固定効果はムダです」。ここではこの帰無仮説は棄却できました。でも、ランダム効果モデルというものもありますが、ここで終わりにして良いでしょうか。やはり、ランダム効果モデルでも推定すべきですね。
ランダム効果モデルの推定
Panelオプションの所をRandomに変更します。
推定出来たら、固定効果モデルがいいのか、それともランダム効果モデルがいいのか、チェックしましょう。View/Fixed/Random Effects Testing/Correlated Random Effects - Hausman Testと操作します。
帰無仮説は「ランダム効果モデルの定式化に誤りはない」です。帰無仮説は棄却されるので、固定効果モデルの採用を支持する結果になりました。
EViewsにおけるハウスマン検定に至る操作の順序は、ここに示したように固定効果モデル->Redundant Test->ランダム効果テスト->ハウスマン検定という流れになります。