データを簡単に取り扱える管理機能がなければ、せっかくの強力なデータ分析機能も無用の長物と化してしまいます。数式処理、統計、日付、文字列、時系列の演算子と関数から始まって、それらの関数における数値、文字、日付データのサポートまで、豊富な関数ライブラリを用意しています。近年の統計処理で必要とされるデータ処理機能を簡単に利用できます。
シリーズをなんらかの計算で利用する場合、数式による表現を利用できます。つまり、Yの対数やWの移動平均、XとYの比を変数として利用するような場合、その実体をわざわざ作成する必要はありません。数式として、そのまま推定式やモデル、グラフの作成ダイアログに入力します。
被説明変数を数式形で表記したモデルの予測値を計算する場合、ダイアログで被説明変数またはその数式を簡単に選択できます。もちろん、信頼区間も選択した変数または数式に応じたものを自動的に計算します。例えば、被説明変数としてGの対数値LOG(G)を利用する場合、LOG(G)またはGの予測値をダイアログで選択でき、選択した値に応じた信頼区間を計算します。
他のワークファイルやワークファイルページにあるデータとリンクしたシリーズを作成する場合に、リンクオブジェクトを利用します。この方法を使うと、観測度数の異なるデータをそのまま取り込んだり、元データ(個別のシリーズ)が変化したときにダイナミックにデータを更新させる(統計表など)ようなことができます。また、ひとつのワークファイル内で計算式(Formula)を利用して、元データが更新されるたびに、ダイナミックにそれを利用した計算式の再計算を実行させることもできます。
バリューラベル(例えば、数値の2,1,0に"High", "Med", "Low"を対応させる)を数値やアルファシリーズで利用すると、数値ラベルだけの無意味なグラフに、本来の意味を追加できます。内蔵関数はリンク元のシリーズやマップ値に対して、再計算のたびに最新の計算結果を表示します。
他のプログラムとのデータの互換性を紹介します。EViewsは次に示す20種類以上のデータ形式をサポートしています。Excel, フォーマット/非フォーマット ASCII/Text, SPSS, SAS (transport), Stata, SPSS, Html, Microsoft Access, Gauss Dataset, Rats, GiveWin/PC Give, TSP, Aremos, dBase, Lotus, バイナリファイル。SASのネイティブフォーマットファイル(v8以前)のデータを利用する場合はSAS ODBCドライバをシステムにインストールする必要があります。
他のプログラムのファイルをEViews画面にドラッグ&ドロップすれば、簡単に取り込めます。これで不具合が生じる場合はウィザードを利用して取り込んでください。
EViewsには独自のデータベース機能が内蔵されています。EViewsデータベースにはEViewsオブジェクトを自由に保存できます。データベースにはいつでも自由にアクセスでき、データベースに保存するデータの観測度数や期間に制限はありません。データベース中のデータを検索するためのクエリー機能を利用することによって、効率的にデータを呼び出すことができます。
検索後、EViewsデータベース内のシリーズは自動的にワークファイルにコピーされます(取り込まれます)。プロシージャを利用すれば、同時に検索と処理を行えます。どちらの場合でもEViewsは必要に応じて観測度数を変換します。自動検索機能を利用すると、カレントワークファイルに目的のデータが存在しない場合、リスト化した複数のデータベースで連続的に検索できます。
上位版のEViewsエンタープライズ版はODBCドライバを利用したリレーショナルデータベースへのアクセスや、商用データベースへのアクセス機能を備えています。ODBCはOracle, Microsoft SQL Server, IBM DB2などのリレーショナルデータベースで標準的にサポートされています。EViewsはODBCデータベースから取り出したデータテーブルの読み込みと書き込み機能を備えています。もちろん、SQLクエリーの検索結果から新しいワークファイルを作成することもできます。
EViewsエンタープライズ版はFAMEフォーマットデータベース(ローカルおよびサーバ)、Global Insight社のDRIProおよびDRIBaseデータバンク、Haver Analytics DLXデータベース、Datastream、FactSet、 Moody's Economy.comをサポートしています。普段使い慣れているEViewsのデータベースインタフェースを利用してこれらのデータベースから目的のデータを検索できます。