Match! に付属する無料の粉末回折パターンデータベース
Match!には、相同定やデータベース検索に利用できる、無料のリファレンスパターンのデータベースが付属します。このデータベースは、インターネット上にある無料で利用できる結晶構造データから計算されたリファレンスパターンです。このリファレンスデータベースはCOD (Crystallography Open Database) のデータです。
Match!では、2つの無料のリファレンスパターンのデータベースを利用できます。1つはCODからのデータすべてを含むデータベースで、約31万件のデータが登録されています。もう1つはCODの無機化合物(C-H結合が存在しないデータ)のみのデータベースで、約4万件のデータが登録されています。どちらもダウンロードし、Match!にインストールすることができます。
リファレンスパターンのダウンロード
下記のアップデート情報のWebページから、いますぐにリファレンスパターンのデータベースをダウンロードできます。
インストール方法
- リファレンスパターンのデータベースをダウンロードし、ZIPファイルを解凍します。
※Match! をインストールしたフォルダ内にサブフォルダ、例えば「C:\Program Files\Match3\RefDB」などを作成し、すべてのファイルを展開します。日本語のファイル名にするとうまくいかないことがありますので、フォルダ名は半角英数字で作成してください。 - さらにMatch!にデータベースを登録する必要があります。Match!を起動し、Match!の「Database」メニューから「Select/create reference database」を選びます。
- Reference Database Libraryが開きます。「Add」ボタンをクリックします。手順1で作成したフォルダを選び、その中にあるファイル「MatchRefDBInfo.mtn」を選び、「Open」ボタンをクリックします。選んだデータベースが、データベースのリストに追加されます。
- Reference Database Libraryで使いたいデータベースを選択して「Select」ボタンをクリックすると、データベースを切り替えられます。「Quit」ボタンで設定を抜けると、以後の検索にこのデータベースが利用できるようになります。
無料のデータベースの評価について
Match!の開発元のCrystal Impact社では、Match! に付属する無料の粉末回折パターンデータベースの質を評価するために、いくつかのテストを行いました。
そのテストによると、ICDDのPDFデータベースを使った場合と比べ、Match!に付属するCODの無料のデータベースを利用した場合には、パフォーマンスに若干の違いがありました。
鉱物データについてのテストでは、無料のデータベースの結果は一般的にとても良好でした。ほとんどのケースで、正しい相が同定されましたが、ごく少ないいくつかのサンプルについて、主相が判別されませんでした。これは、対応するリファレンスパターンが現在のCODのデータベースに存在しないためでした。ICDD PDF-2 Release 2007を使った場合は、テストを行ったすべての相同定について問題ありませんでした。