粒子・細胞・結晶の高度検出・測定に最適!

画像解析ソフトウェアMIPAR

バージョン5.0リリース 学習不要の自動AI検出オプション「Spotlight」新登場!

解析例2. MIPARによる粒子群の分割

ASTM E112に準拠したGrain Size Number測定の事前処理例

画像中の粒子が凝集しているオブジェクトを画像処理して、粒子の分布や大きさなどを計算させたいというご要望を沢山頂きます。MIPARで一気に解析してみましょう。

粒子のサイズを正確に検出することで、ASTM(旧称 American Society for Testing and Materials:米国試験材料協会)に準拠したGrain Size Number(既定の粒子サイズ番号)を正確に導き出せます。

使用するレシピについて

  • 使用する画像:sinter_GrainsFound_ORIGINAL.png
  • 使用したレシピ:recipe-m004-05_findgrains.rcp

レシピは、以下のMIPARレシピストアから入手できます。

レシピ内容

  • Adaptive Threshold:サンプルという領域を決めて平均など統計的にしきい値を設定
  • Smart Erosion:選択されているピクセルの周りに選択されていないピクセルが指定数あった場合、そのピクセルを選択しない浸食機能
  • Uniform Dilation:均一に拡張していく機能
  • Reject Feature:面積などのしきい値で保持
  • Reject Feature:面積などのしきい値で除外
  • Uniform Erosion:均一に浸食していく機能
  • Invert:選択/非選択部分を反転
  • Reject Feature:面積などのしきい値で除外または保持
  • Separate Feature:選択したオブジェクトを分割
  • コンパニオン画像として設定
  • Call Original Image:元の画像を呼びだす機能
  • Wiener Filter:エッジを維持しながらまばらなノイズを低減するフィルタ
  • Find Edge:エッジ端部を見つける機能
  • Intersection:選択範囲を合成
  • Uniform Erosion:均一に浸食していく機能
  • Reject Feature:面積などのしきい値で除外
  • Clean Boundary:境界を整理

レシピ適用手順

1.

MIPARを起動し「Image Processor」をクリックし、「Open Image」からsinter_GrainsFound_ORIGINAL.pngを選択して開きます。

2.

「Open Image」の右隣にある「Load Recipe」ボタンをクリックして、レシピrecipe-m004-05_findgrains.rcpを選択すると、以下の結果画像が得られます。下図は表示をLabelsに変更したものです。

レシピ作成手順

1. 暗い色の境界を見つける

1-1.

MIPARを起動し、「Image Processor」をクリックして、「Open Image」からsinter_GrainsFound_ORIGINAL.pngを選択して開きます。

1-2.

メニューのSegmentationから、Adaptive Thresholdを選択して開いたダイアログで、Selectを暗い方のDark、StatisticをBox Mean(選択領域の平均)に設定します。
この例では、Windows(選択領域)のサイズは20ピクセルとし、Percentageのスライドバーを移動または数値95.3を入力して境界を選択しています。

1-3.

次に、メニューのMorphologyからSmart Erosionを選択し、選択した領域を浸食させていきます。これにより、不要な選択領域を大まかに除外します。

1-4.

メニューのMorphologyからUniform Dilationを選択して領域を拡張し、除外されていない部分を確認します。Depthを調整します。

1-5.

メニューのClean-UpからReject Featureを選択し、不要な点群を除去します。
しきい値を面積(Area)のまま、ターゲットをObject、エッジ(端部のオブジェクト)をIgnore(対象として含まない)、しきい値を800ピクセル以下として実行します。オブジェクトの大きさの確認は、ものさしマークを選択してからオブジェクト上でクリックすると、以下の画像が表示されます。

1-6.

エッジのオブジェクトを含んで、300ピクセル以下のピクセル部分を再度除外します。

1-7.

Uniform Erosionを再度実行して、選択範囲を調整します。

2. 大まかに粒子を選択する

2-1.

メニューのSegmentationからInvertを選択して、選択領域を逆転させます。

2-2.

Reject Featureで再度、ターゲットをHole、エッジ部分を含み、200ピクセル以下の穴を除外します。

2-3.

分割しきれていない部分がいくつかありますので、メニューのMorphologyからSeparate Featureを選択して分割します。この例ではレベルを2.5に調整しています。

メニューのMemoryからSet Companion Imageを選択し、これまで処理した内容をコンパニオン画像として保存します。

3. 別の方法でコントラストの境界を見つける

3-1.

Call Original Imageを選択して、元の画像を呼びだします。

3-2.

まばらなノイズを低減するフィルタWiener Filterをメニューから選択します。

3-3.

メニューのSegmentationから、Find Edgeを選択してオブジェクトの境界部分を見つけます。

4. 手順1-2(大まかに選択した境界)と手順3で選択した境界を合成する

4-1.

先に大まかにに検出した境界と合成します。メニューのMathからIntersectionを選択します。コンパニオン画像の選択/非選択の部分が共有されます。

5. 選択された粒子を整理する

5-1.

Uniform Erosionメニューを再度実行して、選択したオブジェクト領域を浸食させます。

5-2

小さなゴミ領域を除外するためにReject Featureを再度実行します。

5-3.

Clean Boundaryメニューを使用すると、指定された境界線の太さになるまで領域部分を拡張することができます。

5-4.

画像の表示を「Labels」に変えると、領域毎に色を変えて表示します。

5-5.

完全に撮像されていない画像端部の粒子を除外するには、メニューのClean-UpからReject Edge Featureを選択します。

5-6.

選択された粒子の値を得るには、「Measurement Feature」ボタンをクリックします。 測定項目を選択して、Viewボタンをクリックします。

5-7.

計算が終了すると、画面が切り替わります。確認したい項目の数値表セルをクリックすると、色分けされた画像とヒストグラムが表示されます。

補足
  • 画像中にスケールバーがあれば、キャリブレーションを行って、実際の寸法で表示することができます。
  • メニューのMeasurementからInterseptsを選択すると、ASTM E112に準拠した測定を行うことが出来、ASTMが定めるGrain Size Numberを導き出すことが可能です。
  • 参考:
    MIPAR User Manual(Intercepts)

  • 他の類似画像でも使用できるように、作成したレシピは「Save Recipe」で保存しておきましょう。
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