Sample Scripts from GB Books
GB009: 3次元の電場
3. 金属箱中のコイン
今度は1辺が5cmの金属製の箱の中心部分に半径2cm、厚さ4mmのコインが細いナイロン糸によって吊り下げられている状態を考えます。コイン表面の電位を1Vとしたときの周囲の電場の様子を解析します。ただし外側の金属箱は電位 0 に保たれているものとします。 x-y平面上のリージョンをz軸方向にextrudeする形で3次元の領域を規定して行くわけですが、その際以下のネーミングに注意してください。
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3.1 Problem descriptor [ 3dfields1c.pde ]
まずタイトルを設定します。 座標系が3次元直交座標系であることを明示します(デフォルトはCartesian2)。 従属変数を定義します。 偏微分方程式の定義に先立ち、パラメータ類
や関係式を定義します。ドメインの立方体の辺の長さを2*L(m)、コインの半径をr0(m)、厚みを2*d0(m)としています。 z軸方向へのextrusionを定義します。下から順に境界面(Surface)とそれらにはさまれた層(Layer)を規定して行きます(上記立面図参照)。 BOUNDARIESセクションにおいてbase
plane上でのリージョン構成と境界条件を定義します(上記平面図参照)。これらbase
plane上での形状定義や境界条件は基本的にz軸方向にextrudeされて行きます。実際、base
plane上での外側境界上での境界条件はextrudeされた3次元オブジェクトの境界壁に対する境界条件ともなります。ただし上面と下面についてはSurface文にて境界条件を明示します。なお導体であるコインの部分を計算対象からはずす(exclude)ために、リージョン'coin'の定義中にvoidという修飾子を用いている点に注意してください。 最後に出力すべき情報を規定します。 |
3.2 実行結果
計算に先立ち、3次元ドメインを構成するリージョンやレイヤが順次表示されて行きますが、通常は一瞬のうちに消えてしまい、計算の実行が開始されてしまいます。ドメインの構成をチェックしつつ計算への移行も手動で制御したい場合には、「Controls」:「Domain Review」と操作してください。ドメインを構成する各部分領域が下から順に表示されて行きます。 |
(1) Grid(x, y, z) |
(2) Contour(U) painted on z = 0 |
(3) Surface(U) on z = 0 |
(4) Contour(U) painted on z = 2*d0 |
(5) Contour(U) painted on z = 0.5*L |
(6) Contour(U) painted on x = 0 |
(7) Vector(E) norm on z = 0.5*L |
(8) Contour(Em) painted on x = 0 |
(9) Vector(E) norm on x = 0 |
(10) Elevation(U) from (-L, 0, d0) to (L, 0, d0) |