Sample Scripts from GB Books
GB003:  2次元における電導

7. 楕円形の異質物を含む矩形プレート

今度は右図のような楕円形の異質物を含む銅製のプレートについて考えます。この楕円部分は鉄製とします。境界条件は前の例と同一で、ハッチングを施した部分は絶縁境界、またプレートの左上隅には U = 1 の電位をかけ、右下隅の電位は U = 0 に保つものとします。

7.1 Problem descriptor [ econduction01g.pde ]

前の例で作成したスクリプト econduction01f.pde のマイナーな変更で済むため、変更部分のみを記すに留めます。 
  TITLE
    'Conduction in a Plate with an Elliptical Insert'   
                                 { econduction01g.pde }


BOUNDARIESセクション中の Region 'iron' の定義を変更します。楕円の設定にもArcコマンドを使用しますが、通過点の明示が必要になります。長軸、短軸はx軸、y軸に平行であることが前提となります。
  BOUNDARIES
    ...
    Region 'iron' cond = 1.03e7  { Iron region }
      Start (Lx/5, 0)
        Arc(Center = 0,0) to (0, Ly/2) to (-Lx/5, 0) to (0, -Ly/2)
                          to Close


  PLOTS
   
Grid(x, y)
    Contour(U)
    Vector(J) norm
    Contour(J_angle)
    Contour(J_angle) on 'iron'

  END

7.2 実行結果

(1) Grid(x, y)
FlexPDEによって設定されたメッシュ構成は次のようになります。

(2) Contour(U)
解析対象領域(ドメイン)上での関数 U(x, y) の等高線図、すなわち等電位線は次のようになります。 リージョン 'iron' 上では等電位線がほぼ平行になっています。

(3) Vector(J) norm
電流密度ベクトル J のベクトル場の様子をプロットしたものです。U の等高線とは直交する流れとなっています。

(4) Contour(J_angle)
電流密度ベクトル J の偏角の値に関する等高線図です。リージョン 'iron' 上では偏角がほぼ一定のため、等高線が欠落してしまっています。

(5) Contour(J_angle) on 'iron'
(4)と同じ J の偏角の値をリージョン 'iron' 上に限定してプロットしたものです。最大値、最小値の範囲が狭められるため、細かい変化が見てとれるようになります。いずれにせよこのリージョン内ではほぼ -28度という一定値になっていることがわかります。

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