CATS 2.0新機能
バージョン2.0はCATSに対するメジャーなアップデートで、計量経済系の新機能の他、ユーザインタフェースやUser's Manualの刷新が含まれています。
計量経済系の新機能
- 共和分ランクとベータに関する検定に際してのBartlett小標本補正
- “CATSmining”と呼ばれる自動化されたモデル選択プロシージャ
- I(2)モデルの推定と仮説検定(システム変数中における多重共和分関係やI(1)関係に関する仮説検定機能を含む)
- 構造型移動平均モデルの推定
- ラグ長を決定するためのシステム縮小検定
- 欠落観測値の許容
- 再帰推定ルーチンの改訂(固有値摂動、共和分空間の不変性、対数尤度関数に関する新規検定機能を含む)
- 標本の先頭部におけるパラメータの不変性を調べるための“逆方向”再帰
- ほとんどのモデル式の場合にランク検定に関する正しい境界値とp値をレポートできるようになりました。その他のモデルに対しては組込み型プロシージャを用いて境界値のシミュレーションが行えます。
- 構造型移動平均モデルの推定と識別のためのプロシージャ
インタフェースの新機軸
- I(1)分析、I(2)分析、グラフィックス、自動化検定等、操作カテゴリごとに別個のメニューを持つ新ユーザインタフェース
- 確定項やラグ構造等、すべてのモデル設定がメニューで制御できます。これによってCATSを停止することなく基盤のVARモデルの変更が行えます。
- 最大反復回数、スイッチングアルゴリズム用の収束判定基準、画面出力様式等、すべてのプロシージャ設定が“Preferences”ダイアログボックスから行えます。
- 推定されたモデルはRATS“モデル”としてエクスポートできるので、予測やインパルス応答の計算がより簡便に行えます。
- CATSによって生成されたグラフはカスタマイズ可能になりました。
- 出力はtexやcsv形式でエクスポートできます。
- 制約の保存と再ロードが可能になりました。
- ユーザ介入を伴わない真のバッチモードでの実行が選択できます。
その他の機能
次の機能はバージョン1.0から継続サポートされます。
- すべてのモデル変数に関する長期排他性、弱外生性、定常性の“バッチ”検定。アルファ中における単位ベクトルの検定(累積された擾乱が共通トレンドにならないことに関する検定)。
- 部分系、構造変化を伴うモデル、種々の形式のダミー変数のサポート
- 推定残差の多変量/単変量検定
- モデルパラメータの不変性を評価するための再帰的推定(固有値、共和分空間、対数尤度関数、識別系のパラメータ、1ステップ先予測の妥当性に関する不変性の検定機能を含む)
- ベータ中の長期実行関係、及びアルファ中の調整係数に関する仮説検定オプション
- 共和分ベクトルの正規化
- 移動平均モデルに関するパラメータ推定(例えば長期的インパクト行列Cや共通トレンドに対するローディング)
- 推定モデルの特徴を示す多彩なプリセットグラフィックス