JADEの使い方(4)
粉末回折パターンに指数付けを行う方法(Pattern Indexing)
JADEの実際の操作をご紹介します。粉末回折パターンの指数付けを行う方法をご紹介します。
指数付けの実行
粉末回折パターンのデータを読み込み、「スタート」メニューから「ピークの指数付け」を選ぶと、「ピークの指数付け」ダイアログが開き、指数付けを実行できます。
JADEは指数付けのためにピークリストを作成します。ピークにプロファイルフィッティングを行うと、ピークリスト内のプロファイルがフィットで得られた値に置き換えられます。
初期設定では、JADEは最初の16個のピークを指数付けに利用します。
「角度リミット」の設定を変更することで、より多くのピークを含めるか除外するか変更できます。「角度リミット」の表示(下図)を、マウスで右クリックや左クリックすることで設定値を変更できます。
角度リミットの設定値は、下図のようにメインウィンドウの回折パターン上にもわかりやすく表示されます。
「探索」ボタンをクリックすると、指数付けが始まります。
「パターン指数付け」ダイアログ上部のヒットリスト(下図の赤い囲いの部分)に候補の一覧が表示されます。候補の中からどれか1つを選ぶと、ダイアログ下部のピークリスト(下図の青い囲いの部分)に(h k l)などが表示されます。
また、メインウィンドウでもピーク位置にスティックと(h k l)が表示されます。
ヒットリストの「fm」列は、Figure-of-Merit(性能指数)を表しています。fmの値が小さいものほど成績が良いことを表しており、デフォルトではfm値が低い順に結果が表示されます。fmの値は、5から95の範囲で算出されます。
結果がたくさん表示される場合は、「性能指数のカットオフ」の設定で一定以上のfm値を持つ結果を表示しないように絞り込むことができます。
「fn」列は、同等のSmith-Snyder性能指数を示しています。fn値が高いほど成績が良く、999が最大です。
ある程度の予備知識がある場合は、 ツールバーのメニューから結晶系や空間群、単位胞の体積などで結果を絞り込むことができます。
ICDDのPDFデータベースとの連携
「パターン指数付け」ダイアログの右上にあるボタンから、ICDDのPDFデータベースを検索する画面を呼び出し、類似のセルを検索することができます。
「PDFの検索」ダイアログで条件を指定すると、下部に候補の一覧が表示されます。
指数付けされた単位胞の全パターンフィッティング(Whole Pattern Fitting)
「パターン指数付け」ダイアログの右上にあるボタンから「全パターンフィッティング」ダイアログを呼び出し、指数付けされたセルの精密化を行うことができます。 ボタンを押したときにヒットリストで選択されているセルの情報が「全パターンフィッティング」ダイアログに送られます。
「精密化」ボタンで精密化を実行できます。
結果が表示されます。