Sample Scripts from GB Books
GB007: 2次元誘電体
ここで紹介するスクリプトはGunnar Backstrom氏の承諾のもと、書籍 “Simple Fields of Physics by Finite Element Analysis” に記されている多数のFlexPDE適用事例 の中からその一部を紹介するものです。
PDF版 (760KB)
誘電体(dielectrics; 電場を加えたときに分極を生じる物質)を対象とする場合には電束密度(electric displacement)ベクトル |
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を含む関係式を扱う必要があります。ここに ε r は比誘電率(relative permittivity)を意味します。この場合のマックスウェルの方程式は |
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(1) |
で与えられることになります。ここに ρv は真電荷(free charge; 自由電荷)密度(分極から生じたものではない電荷密度)を表すパラメータです。ここで扱う問題においては ρv が0のケースのみを考えるので、FlexPDEに与える方程式は div(D)=0 となります。 |
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(2) |
に展開されることになります。 |
1. 同軸ケーブル
右の図は同軸ケーブルの断面を示したものです(単位としてはSI単位系を使用)。外側のシールドの電位を0、中心線の電位を1として、その中間に位置するポリマー部分における場を調べることにします。なお、中心線の半径は
2e-3 m、ポリマーの比誘電率は 2.3 とします。 |
1.1 Problem descriptor [ dielectrics01a.pde ]
まずタイトルを設定します。 |
1.2 実行結果
(1) Grid(x, y) |
(2) Contour(U) |
(3) Vector(D) norm |
(4) Contour(D_x) |
(5) Contour(D_y) |
(6) Contour(Dm) |
(7) Surface(Dm) |
(8) Elevation(Dm) on 'inner'
Report(cap_ex) 円筒形のコンデンサの容量 C は |
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(3) |
で与えられます(スクリプト上のcap_ex)。この値はReport文の形で出力されており、7.95e-11 という値となっています。今、内側と外側の電極間の電位差は1Vであるので、同軸ケーブル単位長当りの真電荷量の理論値は QF = CU = C = 7.95e-11 と算出されます。 ここで、内周境界である半径 r1 の円筒状曲面(長さは単位長1) S
についてガウスの定理を適用すると、上記数式(1)に注意して |
(9) Elevation(Dm) on 'outer' |
ここで示したスクリプト上では誘電体の誘電率(eps)として一定値を用いましたが、例えば中心からの半径によって誘電率が変化するケース等についてもわずかな変更で対処 できます。 |