第10回学生論文コンテスト「光石賞」 -ソフトウェアによる実証研究-

 

第10回学生論文コンテスト「光石賞」 審査結果

Contest 2018

第10回学生論文コンテスト「光石賞」にご応募・ご提出いただきました皆様に、改めて御礼申し上げます。
厳正なる審査の結果、第10回「光石賞」学生論文コンテストの入賞者は次のように決まりましたのでご報告いたします。

受賞論文 ※論文タイトルをクリックすると受賞論文が表示されます。

光石賞

「Can Insurance Payouts Prevent a Poverty Trap? Evidence from Randomized Experiments in Northern Kenya」(PDF, 963KB)

第10回光石賞_光石賞受賞 則友様上智大学
経済学部経済学科
則友雄磨 様

指導教官の髙橋和志 教授(左)、則友雄磨 様(右)

 

受賞の感想

この度は、光石賞を頂き大変光栄に存じます。今回こうした賞を頂けたことが、これまで各方面から支援してくださった方々への恩返しとなれば幸いです。本論文、また現在の私という到達点は、髙橋和志先生が長期にわたり何度も何度も相談に乗ってくれ、優しく導いてくださったおかげです。また、データの提供・研究のアドバイス・研究環境の整備・資金的な援助・励まし・フィールドワークなどの様々な場面で支えてくださったすべての方に、この場を借りて感謝申し上げます。一方で、今回の研究を通じて、自分の至らなさ・研究の難しさをひしひしと感じました。困っている人の役に立てるように、今後も研究・実務活動に精進して参りたいと思います。

準光石賞

受賞の感想

この度は準光石賞という名誉ある賞をいただき、大変光栄に思います。本論文では、電気自動車の普及要因を統計ソフトStataを用いて明らかにしています。論文執筆にあたっては、データを打ち込んで分析をし、その結果を見ては考察することを絶えず繰り返しました。計量経済学の難しさと奥深さに直面し、根気が必要な日々が続きましたが、社会事象の因果関係を新たに明らかにする研究の面白さを次第に実感しながら、論文を完成させるに至りました。執筆に際して、最後まで入念にご指導をしてくださった田邉先生、そして鋭いコメントや激励のメッセージを頂いた同期や後輩には心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

講評

専修大学商学部 大林 守 教授

光石賞は、発展途上国における農業保険の効果分析となった。天候変動が農家に与える影響を緩和させる保険の導入が、農家が「貧困のワナ」に陥る可能性を減少させることをランダム化実験により入手したデータで実証分析した。分析の視点、データ取得の設計・実施・整形は模範的である。分析のレベルは非常に高く、高い得点を得た。一方、審査にあたっての匿名性のゆえに、光石賞の対象とするレベルの学生個人が、どのような方法でアフリカ北部ケニアでランダム化実験を実施し、かつこれだけの優れた分析を行うことができたのかというもっともな議論があったことも事実である。

準光石賞は、電気自動車の普及という、新技術導入を通じた環境問題への対応という自動車政策のトレンドに焦点をあてたタイムリーな分析である。需要関数を推計し、価格弾力性をはじめとする需要説明要因の影響をきちんと推計している。さらにシミュレーションにより、電気自動車に対する助成金制度、充電インフラの整備などを行えば、電気自動車の普及率が向上し、CO2の削減も可能であることを示している。しかし、論文執筆において、推計結果の吟味、参考文献、数値の有効桁数などに改善の余地があった。

 

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