境界条件はドメイン境界の定義の過程で修飾子として設定します。境界条件には VALUE と NATURAL という2つのタイプがあります。
VALUE型(Dirichlet)境界条件はドメインの境界上で変数が取るべき値を規定します。値としては任意の数式表現が使用できます。他の変数に依存した非線形な数式であっても構いません。
NATURAL型(自然)境界条件はドメイン境界上での流束(flux)を規定します。定義式としては任意の数式表現が使用できます。他の変数に依存した非線形な数式であっても構いません。ラプラス方程式の場合、NATURAL型境界条件はNeumann(法線微分)境界条件と等価なものとなります。
Note:
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NATURAL型境界条件の厳密な定義はPDEによって異なります。詳細については“自然境界条件”の項を参照してください。
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それぞれの境界条件ステートメントは引数として変数名を取ります。この名称が境界条件を特定の偏微分方程式に対応付けます。例えば VALUE(u)=0 という修飾子が適用される方程式は変数uを規定すると定義されたPDEです。NATURAL(u)=0 という指定の場合の意味はuを規定する方程式のタイプに依存します。
我々の具体例においては、上端、下端に対して温度一定(上端では温度1、下端では温度0)という境界条件を、右端、左端に対しては熱流0(熱的絶縁)という境界条件を設定してみましょう。スクリプト上の指定は次のようになります。
...
REGION 1 'box' { the bounding box }
START(-1,-1)
{ Phi=0 on base line: }
VALUE(Phi)=0 LINE TO(1,-1)
{ normal derivative =0 on right side: }
NATURAL(Phi)=0 LINE TO (1,1)
{ Phi = 1 on top: }
VALUE(Phi)=1 LINE TO (-1,1)
{ normal derivative =0 on left side: }
NATURAL(Phi)=0 LINE TO CLOSE
VALUEやNATURALのステートメントで設定された条件は、次に別の条件設定がされない限り、後続の境界セグメントにも適用されるので注意してください。また異なる境界条件を設定した場合には、LINEとかARCといったセグメントの形状についても再度指定し直す必要があります。
Note:
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境界条件の指定様式としては他の形式も許容されます。詳細についてはコマンドリファレンスマニュアルを参照してください。
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