時間依存型問題において初期条件に矛盾があったり、あるいは境界値を開始時点(または別の時点)で瞬時に設定したりすると、系内に強い過渡的なシグナルが誘発されることになります。結果としてタイムステップや場合によってはメッシュサイズが非常に小さな値となってしまうことがあります。
このような急激な変化を細部にわたって調べるという特別な理由がない限りは、定常解と整合性のある初期条件を設定するようにしてください。さらに熱源とか外部からの流束等の境界値を設定する場合には、意味のある時間間隔の中で値を増加(あるいは減少)させる形で設定してください。
熱源や電源等をオンにするという動作をスムーズなオペレーションであると考えるのは誤りです。瞬時に値を変化させると数学的には超高周波を伴うことになります。そのような急激な変化に対する挙動を調べることが目的であるなら致し方ありません。しかし現実的に考えるなら、熱源や電源をオンにするといった操作はある有限時間をかけて行われるべきです。確かにこの時間は電気的なスイッチであればミリ秒、半導体スイッチであればマイクロ秒のオーダです。しかし1秒とか2秒経過した後の状態についてのみ問題にするのであれば、スイッチオンのプロセスは多少ぼかしても問題ないはずです。
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