Origin/OriginProユーザ事例集

 

第6回 昭和大学歯学部 口腔生理学講座

昭和大学歯学部 口腔生理学講座

(昭和大学歯学部口腔生理学講座について)

人間や動物は、食物をよく咀嚼してから飲み込んで消化の効率を上げていますが、特に注意しなくても食物だけを上手に噛んで、舌や頬を噛むことはほとんどありません。また健康な人では、食物を飲み込むときも誤って食物が気管に入ることはありません。これは、無意識のうちに咀嚼や嚥下が脳によって巧みにコントロールされているからです。昭和大学歯学部口腔生理学講座では、二光子励起顕微鏡、光学的電位測定装置、ダブル・パッチクランプ装置などの最新の機器や、除脳動脈灌流標本、自由行動マウス咀嚼筋活動記録解析システムを使い、吸啜や咀嚼運動、睡眠時の咀嚼筋活動をコントロールする脳の仕組みを研究しています。

■ 電気現象など波形の比較に最適

― Originを使い始めたきっかけは何でしょうか。

 北米のSociety for Neuroscience という学会に参加した時、企業展示ブースでパッチクランプのアンプメーカーに波形データを処理する際に使いやすいソフトはないかと尋ねたところ、Origin を紹介されたのがきっかけです。

― それは、pClampのデータを直接インポートできるからということでしょうか。

 確かにそれもありますが、装置からテキスト形式でデータを出力することもできますから必須というわけではありません。操作が1 つ減るという利点はありますけれどね。

 我々は脳や筋に生じる電気現象を記録し、ある操作をする前、途中、後の波形を並べて表示し、それらを比較することで、その操作の評価を行っています。ですから、測定したたくさんの波形データから目的とする箇所を選び、それらを比較しやすいように、自由にレイアウトして表示できることが重要です。そのために使いやすいソフトウェアということでOriginを選びました。

― 実際に導入していかがでしたか。

 まず良いところは、たくさんの波形の縦横を揃えて簡単に並べられるところですね。私たちは、レイヤを80 ~ 90 個作ることがありますが、リンク機能を利用することで全てのレイヤの横軸、縦軸を一気に合わせることができます。一つ一つのレイヤを調整する必要がない点が非常に便利です。

 また、論文査読者の求めで追加実験をして新しいデータを取った場合など、図の波形データを差し替える必要が出ます。Originだと、グラフにデータを表示させるワークシートの指定を変更するだけでグラフの波形を新しいものに入れ替えることができて、大変便利です。グラフのスケールは直さなければいけないですけれど。

■ Originだけで図をすべて作成可能

― 同じ形式のグラフを作成する場合、ワークシートの指定を変更するだけで新しい図を作図できることは、Originの大きな特徴です。

 Origin だけで論文の最終的な原図まで作成可能ということも良い点です。図に写真などを入れる必要がある場合には、最終段階でグラフィックスソフトを使うことがありますが、波形データだけならOrigin だけで済みます。1つのソフトで論文用の原図のレベルまで作成できるのはとても楽です。

 これも、波形データの差し替えが簡単にできるということにつながります。2 つも3 つもソフトを使って図を作ってしまうと、表示波形を1 つ差し替えようというときに非常に大変です。

― 記録を調べたところ、最初に井上先生にOriginをご購入いただいたのは1995年でバージョンは5.0でした。これからOriginを使い始める方に向けて、大先輩ユーザからアドバイスをお願いします。

 ゴルフと一緒で、まっすぐ球が飛ぶようになるまでにちょっと時間がかかります。そこを我慢して使って慣れてみてください。我々のようなデータの(波形データを並べて比較するような) 提示をする人には、Originはすごく合うと思います。

■ 今後のOriginへの期待

― Originの機能やサービスについて何かご要望はありますか。

 波形データの中から、活動電位波形を抽出する機能があるといいですね。私たちは、さまざまな大きさの刺激電流を神経細胞に加えて、その時に発生する活動電位の数や頻度を調べることが結構あります。スパイク状の波形が出れば、それが活動電位の候補となりますが、その波形のピーク値と持続時間がそれぞれ一定の値の範囲内であれば、活動電位と認識できるのではと思います。

 また、有意差があることを示す線をたくさん図に入れることがあります。それらの線を、折れ線グラフとして作図すると、グラフのスケールを変えても線の位置がずれたりしませんが、折れ線グラフの設定が面倒です。折れ線グラフの代わりに直線を3 本描画する方法は簡単ですが、グラフのスケールを少し変えただけで図のバランスが崩れてしまいます。作図しやすくなると良いのですが。

― ピークの解析については、Originにピークアナライザというピーク解析のためのツールがあります。ピーク検索などさまざまな機能を利用できますので、ぜひご利用ください。有意差を示す図については、ボタン1つでアスタリスクブラケットを追加できるようになりました。バージョン9.1で取り入れられた機能ですが、日本から要望を出したものです。

 なるほど、こうして欲しいという要望が取り入れられているわけですね。

― Originのサポートについてはいかがでしょうか。

 思うように作図や解析ができないなど、いろいろ困ることが起こります。しかし、サポートの方が本当によく調べてくださって、そこで作業がストップしてしまうことがなく助かっています。ソフトウェアでサポートが良いところは少ないですからね。

― 本日はお忙しい中、貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。

多数の波形を並べて比較したグラフ 有意差を示す記号をボタン1つで作図可能
多数の波形を並べて比較したグラフの例
有意差を示す記号をボタン1つで作図可能!
 
昭和大学歯学部口腔生理学講座のホームページ

昭和大学歯学部口腔生理学講座
http://www10.showa-u.ac.jp/~oralphys/
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