LIMDEP & NLOGIT
LIMDEP10 の新機能
LIMDEP 10はクロスセクション、時系列、パネルデータ分析に特化し、更なる進化を遂げました。バージョン10はプログラムの計量経済モデルの推定と分析で更なる拡大を行い、新たなモデルと機能を多数追加しました。総ページ数2500を超える電子版マニュアルにはプログラムのリファレンスガイド、背景にある計量経済学、サンプルアプリケーションを豊富に用意しています。
推定モデル、分析、シミュレーション
- 交互作用と非線形性:変数の交互作用、積、累乗、対数を含むモデルは明示的な入力方法で使用できます。基本的なコマンド構成はプログラム全体で統合してあり、少量のモデルの上に重ねられていません。全てのモデルと仕様でこの構成を使用できます。これはモデルの仕様を実際に決める際に非常に便利です。この明示的な入力方法は、ユーザが作成したモデルの部分影響やシミュレーションを得る時に特に活躍します。
- 部分効果:部分効果とは、ある効果の標本平均またはデータの平均で行う計算の事を示し、どれだけ複雑なモデル内の変数でもLIMDEPが自動的に算出します。効果は特定の値または値の範囲に対してシミュレートされ、信頼区間付きで表かグラフを作成します。交互作用と非線形性を含む部分効果のコマンドのサポートが無い事はソフトウェアの弱みであり、多くの論文でも指摘されてきました。LIMDEPの新しいPERTIAL EFFECTSコマンドはこの問題を解決します。この機能はLIMDEPでフィットした全てのモデルまたはLIMDEPを使ってご自身で作成したプログラムでも使えます。この機能は非線形モデルの分析方法を変えるでしょう。
- モデルシミュレーションとOaxaca分解:部分効果機能はLIMDEPのモデルでフィットした予測関数(通常は条件付き平均)のシミュレーションを行う事や、SIMULATEコマンドにも使用できます。シミュレーションは、例えば、確率のサンプル平均予測をトレースしたり、年齢の関数の出力数もシナリオに組み込めます。シミュレーションの機能はサンプルのサブグループでOaxaca分解を算出する際にも便利です。PARTIAL EFFECTS やSIMULATEのように、DECOMPOSEもLIMDEP内に組み込まれているモデルや関数、あるいは自身で指定した関数やモデルで使用できます。
- 多重代入法:欠損データを取り扱う時に多重代入法のテクニックを使用する事が最近、人気を集めています。このテクニックが特定のモデルだけではなく、プログラム全体に組み込まれました。MAXIMIZEコマンドで作成した独自の推定量、係数ベクトル、共分散行列計算に多重代入法を利用できます。また、このテクニックは複数のデータセットを作成する手間を省くことができます。今まではデータセット全体を複製する必要があったので、この手法を行う事ができませんでした。LIMDEPの多重代入法は、既成のデータセットのみを使用します。結果は複製可能です。(必要に応じて代入したデータセットの作成および保存を行えます。)
推定の拡張と分析方法
- 効率化された出力と追加の検定および診断統計
- 全てのモデルで制約と仮説検定
- モデルのシンプルで自然な形式での表現
- 多重仮説検定を1つのステップで推定
- ユーザ作成のループ作成のための多くの新機能
- 標準誤差を算出するための新しいWald機能の追加
- データの平均を計算するための選択肢として標本平均関数
- 平均化の手順を考慮したデルタ方式を使って分散を計算
- 行列代数プログラム向けの新機能
- 作図機能の向上
- 例えば、1つの図の中に複数のカーネル密度推定量をプロットするなど、カーネル密度推定に関する複数の機能を追加
- 等高線図
- グラフ作成やラベリングを行うツールの拡張
- 堅牢な線形モデルの共分散推定量
- 標準誤差と信頼区間、そして検定統計量の大標本向けのジャックナイフ法とブートストラップによる推定量
- パネルデータをほぼすべてのモデルの枠組みに拡張
新しいモデルとデータ分析設定
論文に掲載される新しいモデルの開発と搭載を随時行っています。新たに、LIMDEP10のモデルの枠組みとして追加されたものは次の通りです。
- カウントデータ用モデル
- パネルデータでカウントデータを使う時のゼロ切断
- NB-X―過小分散のための負の二項モデル
- NB-E―内生性切断のある負の二項モデル
- 内生性効果のあるポアソン及び負の二項モデル
- ポアソンと逆ガウス分布の混合
- ゼロインフレーションと1/2/Pの入れ子式機能フォーム
- 内生性のあるカウントデータのハードルモデル
- ノンパラメトリックおよびセミパラメトリック回帰モデル
- ローウェス(Lowess)ノンパラメトリック回帰
- 分位回帰としてのQREG
- カウントデータで分位回帰を行うためのQCREG
- 内生右辺側変数の回帰のためのLIML推定値
- バイナリとオーダードモデル
- 内生性効果とオーダードプロビット
- ランダムパラメータとしきい値のある一般化オーダードモデル
- バイナリ選択のためのアークタンジェントモデル
- 確率フロンティア
- ノンパラメトリックフロンティア関数を備えたFRONTIER
- Battese-Coelli パネルデータのフロンティアモデル
- 例えば技術効率性などの計算とモデルの検定を自動的に行う
- ランダムパラメータになるMAXIMIZE/MINIMIZE
- 数値解析
- 特定の関数をシミュレートおよび作図するFUNCTIONコマンド
- f(x)=0の解を求めるSOLVEコマンド