JADEの概要

XRD解析で必要とされる定性、定量分析、指数付け、リートベルト解析などの機能を提供する業界標準のXRD解析ソフトウェアです。JADEの開発元・MDI社は、約30年前からXRD解析のソフトウェアを提供しているメーカーで、さまざまなXRD解析装置と共にJADEは利用されています。

      

様々なメーカーの粉末回折データをいつも同じ操作で解析

粉末X線回折(XRD)のデータ解析は、それぞれの粉末X線回折装置に付属する解析ソフトウェアを利用するケースが多いかと思いますが、メーカーによってソフトウェアの機能、操作方法は異なります。また、データ形式も異なりますので、あるメーカーの装置から出力されたRAWデータを、ほかのメーカー製のソフトウェアで解析することができないケースも珍しくありません。

JADEは、リガク、Malvern Panalytical (Philips)、Bruker (Siemens)、ARL Thermo Fisher Scientific (Scintag)、Shimadzu など、ほとんどのハードウェアメーカーのRAWデータフォーマットに対応しています。また、数多くのリファレンスパターンと結晶構造データベースに対応しています。この分野でスタンダートとして広く利用されているICDDのPDF-2、PDF-4 ももちろん利用できます。

使いやすい解析機能

結晶相の同定

結晶相の同定は、粉末X線回折で特によく利用されている機能の1つです。JADEでは、測定した回折パターン全体を利用したプロファイルベースのサーチマッチが採用されています。各種フィルタ機能を備えており、相同定の際にさまざまな条件での絞り込みが可能です。また、実測データとデータベースの比較がしやすいリボンプロット機能や、1つのピーク情報から相同定が可能なシングルピークS/Mなどの豊富な機能を使い、相同定をスムーズに行うことができます。視覚的にピークを識別するのが困難でない限り、回折パターンのスムージングが必要ないように作られており、解析の作業負担を軽減できます。

定量分析

JADE PRO/Standardには、(1)全パターンフィッティング/リートベルト精密化による定量分析、(2)RIR法(参照強度比法)による簡易定量の2種類の定量分析機能があります。

(1)WPF/Rietveld精密化による定量分析は、相同定と並びJADEの中心機能の1つです。精度が高い定量解析を利用したい場合は、WPF/Rietveld精密化による定量分析機能をご利用ください。組成を求めるだけなら、(2)RIR法による簡易定量も利用できます。

その他の分析機能 (結晶化度、結晶子サイズ)

プロファイルフィッティングを行い、ピークの面積や高さ、半値幅などのピークの特性値を求めたり、結晶化度を算出することができます。プロファイルフィッティングのバッチ処理機能もあり、複数の回折パターンを一括処理することも可能です。また、ピークの広がりを求め、結晶子サイズを推定できます。

結晶構造の3D可視化と粉末回折パターンのシミュレーション

結晶構造データファイル(CIFファイルなど)やデータベースの結晶構造データ、結晶構造データの手動での入力により、結晶構造の3D可視化と粉末回折パターンのシミュレーションを行うことができます。

粉末回折パターンの基本操作

重ねがき、バックグラウンド処理など、回折パターンの基本処理を行うことができます。


 

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