Match! の小ワザ・裏ワザ

Match!のソフトウェアをより有効にご利用いただく手助けとして、次のヒントを活用してください。

 粉末からの相同定を行う全般的なヒント

Match!使用中に常に意識してほしい特徴として、結果の質は最初の"生(raw)データ処理"と呼ばれる過程を経たピークデータの質に強く依存する、という事があります。例えば、ピークデータに2θエラー(サンプルの置換や検出器の2θシフトなどによる)がある時や、生データに多くのノイズがあるせいであまりにも多くのピークが検出された時は、良い結果が得られません(結果が出てこない可能性もあります)。

理由としては相同定の第一ステップであるサーチの時にピークデータのみがリファレンスデータベースと照合される、ということがあげられます。リファレンスデータベースにはピークデータのみが記録されている事を考えれば、これは妥当です。つまり、ピークデータの質が良い結果を出すのに重要である事が分かります。

実際にピークデータを解析するときにどのような影響があるのでしょうか。生データからピークデータを抽出するのは自動で行えますが、コンピュータは、熟練の粉末回折スペシャリストが持つ「目」には及びません。熟練者の方がノイズとピークを見分けるのが格段に上手です。よって、ある程度の時間を費やして生データからピークデータの分析を行う価値はあります。Match! はこの工程を快適に行えるよう、複数の機能を備えています。

 次の手順をワークフローの参考にしてください。

  • 生の回折データをインポートした後、α2線を必要に応じて消去してください(メニューから、"Pattern/Subtract alpha2"と操作します)。もしパターンがでこぼこしているなら、1、2回"パターン/生データのスムージング"(メニューから"Pattern/Raw data smoothing"を選びます)をかけてみてください。ただし、あまり生データのスムージングを行いすぎると小さなピークが消されてしまい、結果として少数相を特定できない事になるので、注意してください。
  • バックグラウンド放射線が強い場合、自動的に検出されたバックグラウンド曲線を確認し、必要なら修正を加えます。まずは、バックグランド曲線が回折パターン内に表示されている事が必要です。バックグラウンド曲線を表示するには、パターン画像のコンテキストメニュー(パターン画像内で右クリックをすると開きます)で対応するオプション"Background"を選択してください。それから、バックグラウンドコントロールポイント(バックグランド曲線上の小さな四角形)をマウスで移動する事も、コントロールポイントの追加および削除も行えます。バックグラウンドコントロールポイントをマウスで操作する詳細については、オンラインヘルプ上の"Table of Mouse Button and Key Combinations"(または、マニュアルのp64にある付録)をご覧ください。
  • 特にパターンに問題が見られない場合は、ピークサーチ(peak search)(メニューから"Pattern/Peak search"と選択する)を実行するか、プロファイルフィッティング計算(profile fitting calculation)(メニューから"Pattern/Profile fitting"と選択する)を行って最初のピークデータを入手してください。
  • 下準備も整ったので、詳しくデータを見ていきましょう。まずはピーク画像の左側、2θ値が低いエリアにズームしてピークとその位置を確認しながら、徐々に2θ値が大きなエリア(つまり右側)に移動していきます。Match! はズームやトラッキングのために、多くのキーボードショートカットとマウス機能のオプションを備えています。詳細は、オンラインヘルプ上の"Table of Mouse Button and Key Combinations"(または、マニュアルのp61にある付録)をご覧ください。拡大されたパターンをスクロールして見ながらピークの追加と削除を行い、各ピークをプロファイルデータにフィットさせて正確な強度(intensity)を入手しましょう。
  • 生データの最大値で"本物の"ピークであると推定したものの実態は、多くのピークが"重なって"おり、同時に出来る限り少ないピークで表現しようとしているので注意が必要です。マッチングするピークを見つけるのも重要ですが、ピークの間にある"何もない"空間もマッチングしない相と区別するのに重要です。本当に自信のあるピークだけを利用することでサーチマッチの分離能力を高める事ができます。
  • 全パターンの調査が終わり、使用する予定のピークを決めた後に"Pattern"メニューの項目から必要に応じて偏向誤差(displacement error)の有無とゼロ地点(zero point)の確認と修正を行いましょう。特定の修正値の判断にはヒストグラムを使用してください。また、サーチマッチの計算が納得できる値を示さなかった場合は一度戻って別の修正を試してみてください。
  • 特定の相の存在が分かっている場合、内部基準を使って2θエラーの可能性を修正できます。キーボードで「Ctrl+F」(Mac版では「Cmd+F」)を押すかウィンドウ上部のツールバー右にある"Find phases/entries"フィールドをクリックしてカーソルを合わせます。そして、既知である物質の名前、化学式、またはエントリー番号を入力して「Enter」キーをおします。Match! は検索項目に当てはまるエントリを候補リストに表示し、項目(名前か化学式)に最も当てはまる最初のエントリをハイライトします。同時に、このエントリの回折パターンがパターン画像として表示されます。これで、ハイライトされた内部基準を元に2θ軸を調整するにはショートカットキーの「Cntl+T」(Mac版では「Cmd+T」)を押します。
  • これで、サーチマッチの計算、結果のエントリの確認、マッチング相の同定の一連の作業を行 う準備が整いました。順番に操作してください。

選択項目を繰り返し使う・保存する("Presets")

頻繁に同じ選択項目のセット(元素、密度、無機物のみ、など)を利用している場合、何度も何度も項目を選択するのを面倒に感じるでしょう。代わりに、選択する項目を保存できれば、サーチマッチを行う時のサブセットとして利用できるので、操作を簡略化できます。

現在の選択項目は"selection criteria presets"(選択項目プリセット)を利用すれば、とても簡単に保存及び読み込みができます。設定を行うボタンなどは"Restraints"(と"Additional Entries")のタブの下部にあります。また、複数の選択項目セットを保存できます。
現在の選択項目を保存するには"Save"ボタンをクリックします。それからこの選択項目を見分ける事ができる名前を付けて保存しましょう(例の中では"Silicon Compounds"です)。その後、選択項目セットは個人設定(例えば、Windowsレジストリ)内に保存されます。

他の人が同じPCを利用している場合、その人はあなたとは関係なく選択項目を保存できます(もちろん、別のアカウントを利用していることが条件です)。

保存した選択項目を再び使いたい時は、"Save"ボタンの右側にあるプルダウンメニューのリスト内から選んでください。
以上で操作は終了です。ロードされた選択項目は即座に候補リストに反映されます。もちろんチで計算中のものにも適用されます。

リスト選択ボックスを使う

"Restraints"と"Additional entries"のタブシートには、手入力を行うエリアの右側に"list selection box"(リスト選択ボックス)があります。それぞれの入力エリアの右にある表のボタンをクリックすると、その入力エリアに対応するリスト選択ボックスが開きます。

行をクリックすると、その値が入力エリアに反映されます。また、特定の値または行を探している場合、初めの何文字かを間をおかずに入力すると、当てはまるものを表示するので検索時間を短縮できます。例えば、"Stolpovskaya V."という人が書いた論文を探しているなら、「stlop」と連続して入力すると、"Stolpovskaya V."の表記がある行に移動します。

別の文字を入力して間違えた場合は、2秒間(入力バッファを消去するのに必要な時間です)待ってからもう一度試してください。

サーチマッチから多くのエントリが表示される

 サーチマッチの結果があまりにも大きな数字になっている場合、その原因としては以下の2点があげられます。

  • 回折データに非常に多くのピークが含まれている可能性があります。結果として、実験結果のピークの位置とリファレンスパターンのピークの位置が合致する可能性が高くなっています。
    ピークの1つずつを細部まで調べてください。そして自信のないピークは全て削除しましょう。削除したら、もう一度サーチマッチをかけてみてください。つまり、多くエントリで高いfigure-of-merit(FoM)値を示す可能性があります。
  • "peak correlation 2theta window"(2θピーク相関ウィンドウ)は大きなウィンドウです。通常、サーチマッチを行う前にMatch! が自動的に調節しています。これは、実験結果ピークの平均FWHM(full width at half maximum, 半値全幅)で計算されています。結果として、幅の広いピーク(FWHMの値が大きい)では多くのピークが相関グラフ上でマッチングしていると判断されます。
    2θピーク相関ウィンドウのサイズの自動判別は、"Tools/Options"ダイアログの"Search-Match"ページで右上の"Delta 2theta"の横にある"Automatically adjust peak search window"のチェックボックスを外すと解除できます。"Delta 2theta"には小さい値を入力して"OK"をクリックしてからサーチマッチをもう一度行ってください。

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